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感想「師いわく」春風亭一之輔の気楽な人生相談本

春風亭一之輔さんの「師いわく」 読書録

読書と同じくらい好きなものに落語があります。

落語の良さ、出てくる人たちの気楽さや能天気なところ。また、その世界をリアルに作り上げる落語家さんたちの芸。その世界に浸っていると、笑いを楽しみ見つつも心がほぐれるようななんとも気持ちの良い時間。

そんな関係から、落語家さんの書いた本などもよく読んでいます。

ここ最近読んだ中で面白かったのが春風亭一之輔さんの「師いわく」。

「春風亭一之輔の、いちのいちのいち」でもコンビを組んだ写真家キッチンミノルさんとの、読者の声にお応えする人生相談本。

なんといいますか、気楽なことばっか書いてるんです。「こんなんでいいの?いいんです。」的なノリの「師いわく」のご紹介。

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感想「師いわく」春風亭一之輔さんの口座の雰囲気そのままの人生相談

著者の春風亭一之輔とは

「師いわく」は落語家の春風亭一之輔さんと写真家キッチンミノルさんがメインで、読者から投稿のあった人生相談についてあーでもない、こーでもないと酒を交えながら気楽に回答していく本。

春風亭一之輔さんとは何者か。自称21世紀最初の落語家(2001年入門だから。4月入門なので、もしかしたらもっと先に入った人いるかもしれない)。2012年に21人抜きで真打に抜擢された、若手落語家の中でもトップクラスの人気をほこる方です。

NHKの「落語ディーパー」や「落語THE MOVIE」、ラジオの「たまむすび」などにも出演。全国各地で落語会を開催されており、なかなかチケットの取れない落語家さんとして人気を博しております。

【尻餅】 春風亭一之輔

春風亭一之輔さんの落語は、古典落語にも現代的なテイストをぶっこみつつ(私が観た「時そば」では、そば売りがチャゲアスを聞いていました)、飄々とした語り口で観客を一之輔ワールドに引き込みます。同じ話でも日々進化を続けており、観るたびに新たな驚きと笑いをあたえてくれる、落語家さんであります。

ゆるい人生相談本「師いわく」

寝る前落語のすすめ。

そんな春風亭一之輔さんの人生相談本「師いわく」。なんでこんなタイトルかというと、孔子様の教えからきています。

孔子様は「四十にして惑わず」とおっしゃられている。春風亭一之輔さんも四十歳代突入。というわけで惑わない一之輔さんに人生相談をしてもらおうじゃないかという経緯でこの本ができたよう。

論語などでは孔子様の教えは「子、のたまわく(落語の「明烏」でしのたまくう(火の玉食う)おなじみ!)」が正解なのですが、それだと「おっしゃった」という意味になりちょっと大げさなので、言ったというぐらいのニュアンスの「いわく」になったのだそう。

人生相談といってもそんなに重い感じの本ではありません。

だいたい、高座終わりの一之輔さんが居酒屋に入って、ビールでも飲みながら本日のお題(お悩み)に答えるというもの。

あまり深刻にならない、背負い込まない。ひょいひょいと酒の肴にしつつも、落語会で鍛え抜かれた独特の人生観で、悩みを気楽に捉えられるような返しが魅力です。

感想。春風亭一之輔さんの「師いわく」

名言に感動する!

「師いわく」は、春風亭一之輔さんの語り口調がうまく生かされている本だなという感想をもちました。

一之輔さんが高座でまくらや落語をやっている時の、ラフな口調。普通人生相談っていうと、方に力を入れたり、真面目になったりしがちだけれども、「師いわく」においてはそんなことが全然ありません。

そもそも、本書にでてくるお悩み自体もさほど深刻でないので、返す方も気楽なもの。

「本当にお悩み聞いているの?生ビール(大)に夢中なんじゃないの?」的な部分を交えつつも、なんだかんだでそのお悩みの解決になりそうなワードが出てくるのが、さすがだなとも思いました。

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人生相談というと、私の年代で頭に浮かぶのがみのもんたさんのお昼の番組「午後は○○おもいッきりテレビ」。あれなぞは、なんともどろどろしたお悩みに、人生の百戦錬磨の回答者がずばずばと容赦なく答えるといった感じでした。幼心に恐ろしい番組だという印象が強かった。。。

なので人生相談というと、未だにああいう殺伐とした修羅場的なのが頭にちらつくのですが「師いわく」ぐらいの気楽さがあっても良いのかなと、今になっては思います。

いろいろなシチュエーションはあると思いますが、人生相談する人って大なり小なり悩んでいるわけです。深刻なわけです。

そんな深刻な人の人生相談に、深刻な形で返してしまっていいものかどうか。深刻×深刻でより深刻な深みにはまっちゃう可能性だってあるかもしれません。

しかし、春風亭一之輔さんのような切り返し。「大丈夫大丈夫、なんとかなるなる。ビールは美味しいし、ほろ酔い加減だし、なんでも聞いてあげるよーん」とか「そんなつまんねーことで悩んでるんじゃありません。なるようになる」的なある種無責任的な答えも、ある時には有効なのかも(もちろん相談内容の重さにもよりますが)。

まぁ「師いわく」のように、この答え方の塩梅は、落語という人を笑わせる世界かつ芸人の世界で、様々な人情の機微を味わってきた一之輔さんだからこそできるんだろうなって感想もあります。一般人の生活軸とはちょっと違うところで生きている芸人さんだからこその、ちょいとメタ視点なお悩み相談のご回答。特に落語家さんは老若男女に対応しなければならないので、より返答へのパターンが多彩なのかもしれません。

一之輔さんを好きな人は読んでおいて損はないと思います。高座やテレビ、ラジオのまんまの語り口。字で読むまくらのようなリズム感。

人生に悩んだ時に読むと心が晴れるとは言い難いですが、場合によっては方の力が抜けるマッサージの効果のある本なのかも。

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