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「いだてん」注目!たけし演じる志ん生がわかる「やっぱ志ん生だな」

大河ドラマ「いだてん」のたけしと志ん生がよりわかる「やっぱ志ん生だな」読書録

2019年の大河ドラマ「いだてん」が始まりました。

脚本が宮藤官九郎さんということもあり、早くから注目を集めています。

「いだてん」の舞台となっているのは前の東京オリンピックを中心に、そこに向けて日本でどのような流れがあったかというもの。

時間軸も明治になったり昭和になったりと飛び回る展開。長きにわたって、色々な人々の熱意と努力によって東京オリンピックまでの道のりを描くのだと思います。

まだ始まったばかりですが俳優陣も豪華で面白そう。私も昨日の放映を見ましたが、初っ端から熱量がすごかったです。

ふだんドラマをあまりみない私ですが、今回「いだてん」を観ようと思った一番のきっかけがビートたけしさんが古今亭志ん生を演じるというから。

落語会の昭和の大名人にして今でも絶大な人気を誇る古今亭志ん生。落語好きなら一度はかならず聴いたことがあるし、ハマると抜け出せなくなる魅力のある噺家さんです。

今日紹介する本は、そんな古今亭志ん生への思いをビートたけしさんが綴った「やっぱ志ん生」だな。

ご自身もライブなどで落語を演じられるビートたけしさん。漫才の頂点をとった人の意外な落語愛がわかる本であり、読むと「いだてん」でどのように志ん生を思いながら演じているのかに迫れる一冊。

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志ん生演じるたけしが語る「やっぱ志ん生だな」

「いだてん」でたけしが演じる古今亭志ん生とは?

大河ドラマ「いだてん」でビートたけしさんは古今亭志ん生という役を演じています(志ん生の若い頃は森山未來が演じています)。

古今亭志ん生(五代目) – 風呂敷

明治から昭和の時代にかけて時代を生きてきた古今亭志ん生が番組のナビゲーター的な役回りのよう。

古今亭志ん生という人は昭和を代表する落語家で今でも絶大な人気を誇る大名人。死後数十年経っていますが、未だに落語のCDセールスではトップの方をひた走っているとか。

その語り口調は天衣無縫で、並ぶものがない独特の魅力を持っています。

私も志ん生が大好きで、同じ噺でも何度聞いても楽しめるのが魅力。独特のリズムが癖になります。

たけしが志ん生への愛と思いを語った「やっぱ志ん生だな」

「やっぱ志ん生だな」はお笑い界のBIG3の一角ビートたけしさんが大名人古今亭志ん生のすごさ、面白さ、その想いを語った本です。

お笑い界の頂点に長年君臨し、なおかつ映画監督的としても才気あふれるたけしさんが語る志ん生論は他の落語家論とはちょっと違う面白さがありました。

たけしさん自身志ん生が好きらしく、特に寝る前に落語を聴いているのだそう(参考:【おすすめの噺5選】寝る前に落語を聴く魅力とは)。

志ん生の噺の空間の切り取り方を映画のカット割り的な視点で論じたり、また芸人としていかにすぐれているのかというのを熱く語っています。

私が今まで読んだたけしさんの本は割とシニカルな印象を持つものも多かったですが「やっぱ志ん生だな」に関しては情熱の度合いが感じられます。

落語家じゃないからこその距離。志ん生落語を聴く参考にも

落語家を語った本って、同じ落語家であったり、お笑い評論家が論じたりというものが多いです。

しかし「やっぱ志ん生だな」に関しては落語家ではないけれど、漫才師、お笑い芸人としてのたけしさんの目線から語られた本。

同じ芸事の世界なんだけれども、志ん生を落語家よりは一歩引いた感じで見れているし、また評論家よりも同じ芸人として見れているという間合い。

だからこそ、ある種ちょうどいい距離で俯瞰した志ん生の魅力やすごさを語っているし、それがお笑いの世界、芸の世界でどのようにすごいのかがわかりやすい。

仕草であったり、客との接し方であったりが、どういう効果を与えているかなどの論考は、志ん生落語を聴く上で参考になります。

自身もライブで落語を演じるビートたけし

「いだてん」内で志ん生を演じるたけしさんは落語をするシーンもあります。初回は富久を演じていました。

「やっぱ志ん生だな」にも書かれていますが、たけしさん自身もライブや舞台などで実際に落語を演じています。

昔は立川談志さんの弟子だったし(立川流は芸能人でも弟子になれるBコースというのがある、ミッキーカーチスさんとか高田文夫さんなども加入)、今は立川談春さん(下町ロケットで俳優としても活躍)の弟子となり立川梅春(ばいしゅん)として落語をやっているのだそう。

ビートたけし 人情落語 【おふくろ&八百屋】 北野たけし コント

もともとコント出身で、そのうち漫才師としてブレークするたけしさん。ご自身東京の下町出身で小さい頃から落語が身近にあったことから、落語への思い入れも強いのでしょう。

YouTubeなどで観たことがありますが、けっして技術的には上手くはないけれど、長年お笑い界のトップをひた走ってきた人だけに、独特の面白さがあります。技術なんか気にならない、話芸の魅力(参考:人気落語家さんたちの十八番と工夫がわかる本「十八番の噺」)。

昔でしたらタモリさんの落語もあったし、最近では千原ジュニアさんをはじめ漫才師の方でも自身のライブで落語を取り組まれている人が多いとか。

日本の大衆芸能を生きるお笑い芸人として、その根本にある落語に回帰するという流れが出来てきているのかもしれませんね。

「いだてん」のたけし演じる志ん生で落語ブーム再来?

たけしがどういう気持ちで志ん生を演じているのかがわかる

「やっぱ志ん生だな」を読むと、たけしさんがどのような心もちで志ん生という人を見ているのかがわかります。

それを知って「いだてん」を観ると、たけしさんの演技により深みを感じます。

「いだてん」初回に演じていた富久なんかでも基本はたけしさんなんだけれども、微妙な間であったりなんかに志ん生を感じられる瞬間も。

一度読んでおくとより「いだてん」のたけしさんの演技の面白みが増すことでしょう。

やっぱりビートたけしなんだけど

「いだてん」を観て思ったのはたけしさんはたけしさんだなということ。

志ん生役をやるにしてもスキンヘッドにするわけでなく、語り口調をとりわけ変えるわけでもない。ある意味ビートたけしのまんま。

しかし、それでも不思議と志ん生役にハマってるんですよね。以前ドラマ「赤めだか」で立川談志さんを演じられていた時もたけしさんのまんまでしたが、それでもハマっていました。

たけしさんの場合、変に役に寄せていくよりも、そのまんまの雰囲気のままで行った方がこういう破天荒な役どころはハマるのかも(参考:【いだてん】破天荒な噺家、古今亭志ん生の半生記「なめくじ艦隊」)。

「いだてん」きっかけでくるか志ん生(落語)ブーム?

いままでNHKの朝の連ドラ「ちりとてちん」や「タイガーアンドドラゴン」などで落語ブームというのが起きていました。

タイガー&ドラゴン/横山剣クレイジーケンバンド

今まで落語に興味がなかった人でも寄席に行ったり落語会に訪れる人も増えたのだとか。今ではYouTubeなどもあるので、志ん生に興味を持てばすぐその落語に行き着くこともできます。

特に大河ドラマって注目度も高いですし、志ん生をたけしさんが演じられていることから、より多くの人が落語に興味を持つきっかけになるのではないでしょうか。

2019年は落語ブーム再来とともに、志ん生ブームが来てより多くの人が落語に親しむきっかけとなれば、落語好きとしては嬉しい限りです。

「いだてん」志ん生の奥さん役に池波志乃さん

調べたところ、たけしさん演じる古今亭志ん生の奥さんである美濃部りん役は池波志乃さんが演じられるようです。

これは落語好きとしては嬉しい配役。池波志乃さんは中尾彬さんの奥さんとしても知られていますが、じつは古今亭志ん生のお孫さんなのです。

池波志乃さんは古今亭志ん生の長男で、同じく落語家の金原亭馬生の娘さん。

いつの回から登場かわかりませんが、祖母である美濃部りんさんを演じる池波志乃さんを早く見たいもの。

またたけし演じる志ん生とどんな掛け合いをするのか、「いだてん」の今後が楽しみです。

【関連記事】:【おすすめの噺5選】寝る前に落語を聴く魅力とは

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