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【まとめ】夏におすすめしたいホラー小説10選

読書録

連日暑い日が続きます。特に今年は長梅雨からの一気な猛暑日が続き、体調的にもなかなかしんどい。

昔と違って、今は高温注意報なども出ており「原則外での運動は控えたほうがいい」なんてテレビの天気予報などでも言われていますね。

そんな暑い夏、エアコンの効いた部屋でじっくり腰を据えて読書を楽しんで見るのはいかがですか。

普段から読書を習慣にしている人はもちろんのこと、そうでない人も。たまにはスマホを手放して、じっくり本の世界に浸るというのもいいものですよ。

今回はホラー小説を紹介したいと思います。なんでホラーかと申しますと、昔と違って、テレビとかでも怪談番組やホラー映画もしなくなったじゃないですか。

私は「夏にはホラー」っていう構図がなんか好きなんです。季節感を感じるんです。若干失われつつある夏の伝統が続いて欲しいという願いもあって、あえてホラー小説をおすすめします。

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夏におすすめしたいぞわっと怖いホラー小説10選

1.リング

のっけから、ホラーの大有名どころです。現在でもリングに出てくる貞子が人気で、映画シリーズの何かしらは観たことがあるという人は多いのではないでしょうか。

特に若い人などにとっては、もはや若干古典ホラー的な位置づけなのかもしれませんが、その「リング」の原作は映画とはまた違った面白さがあります。

「映画」は視覚的にばっと現れる怖さがありますが、ホラー小説ではイマジネーションの怖さが。特に、貞子がどのような存在で、なぜビデオで呪いを伝染させるようになるのかというくださりは、映画より小説のほうが詳しく描写されているので、深みのある怖さが楽しめます。

「リング」だけでなく続編の「らせん」、「ループ」などまで読むと、作品全体の世界観がよくわかり、ただテレビからはいずりまわって出てくる貞子が怖いだけの作品ではないことがわかるでしょう。

正直「リング」に比べて「らせん」と「ループ」は怖さの点では劣りますが、全部続けて読むのをおすすめします。

2.残穢

小野不由美さんの「残穢」はものすごく怖い。ここ数年で一番恐怖を感じたホラー小説。「リング」と似たようなところもあり、とある怪奇現象にかかわった人々がだんだんと怪我したり病気になったりしていきます。

「リング」でいうところの呪いが穢れという概念で登場し、それが登場人物たちに伝染していくのです。

何が怖いかって、このホラー小説内の出来事が、読み手である現実世界にも影響を及ぼしてくるんじゃないかっていう気配。小説の描き方も一人称視点で描かれており、この話がリアルなのかフィクションなのかはっきりしない書き方も、穢れへの伝染の恐怖に一役買っています。

映画化もされていますが、そちらはまぁ微妙な出来でした。「残穢」に興味のある方はだんぜん小説をおすすめします。

「残穢読了後に怖さの増すホラー小説と「穢れ」の概念

3.鬼談百景

小野不由美さんの百物語風の作品。「残穢」の前日譚のような作品も多々収録されています。

長編のホラー作品もいいのですが、短編には短編ならではの良さがあります。なんでしょう、説明不足の怖さというか。

長編ホラー小説になると、物語の背景があり、展開があり、結末までしっかりと描かれています。しかし短編にはそれがなく、はっきりとしない薄気味の悪さがよりホラーを引き立ててくれることに。

この話に出てきた人はこの後どうなったのだろう。なんでこんなことが起きるようになったのだろう。短編には読者の想像力を刺激する、エアポケットがあるように感じます。

特にこの鬼談百景は一作一作のクオリティが素晴らしく、後々まで余韻が続くホラーが多目。

短編ですので、様々な方向性の怖さに触れられるのも魅力です。

「鬼談百景」小野不由美の百物語がべらぼうに怖い【短編ホラー集】

4.一行怪談

短編ホラーの傑作「一行怪談」。レギュレーションは「●題名は入らない。●文章に句点は一つ。●詩ではなく物語である。●物語の中でも怪談に近い。以上を踏まえた一続きの文章。」などがあり、一つ一つごくごく短いホラー作品。

下手すりゃツイッターでつぶやくぐらいの文字数で、一つのホラー作品が完結するようなものだってあります。

たくさん収録されているので、クオリティの差はありますが、怖いものは本当に怖い。バックグラウンドが何もなく、わけのわからない恐怖の世界がぱっと提示させられている気分。100文字ちょっとでこんなに読者をぞっとさせることができるのかと、ホラー小説の新たな扉を開いた気分になります。

「一行怪談」について詳しく書いた記事がありますので(おすすめの作品もいくつか引用)そちらもあわせてどうぞ。

【恐怖】究極の短編ホラー!「一行怪談」

5.ぼぎわんが、来る

タイトルが不思議な響きの「ぼぎわんが、来る」。地方で伝わっている怪奇現象に付きまとわれたある家族にまつわる物語。映画化もされています。

まず聞きなれない響きの「ぼぎわん」というのが何なのかというのが気になります。その謎にせまっていく部分でぐいぐいお話に引き込まれていきます。

見所なのは、わりと派手目の霊能力者と怪異の対決シーンがあるところ。日本のホラーって、じわじわと恐怖が来るってものが多いですが、「ぼぎわんが、来る」に関してはアクションシーン的なものが多目の仕上がりに。

霊能力者の比嘉姉妹もキャラがしっかり仕上がっており、魅力的。シーンの展開もリズムよく、とても読みやすい小説なので、普段あまり本を読まない人にもおすすめです。

怖さという点では、絶対的に強い霊能力者がいるっていうのは心強いですね。ただ、それに安心していると、しっぺ返しを喰うような恐怖シーンも。

「ぼぎわんが、来る」はシリーズ化(比嘉姉妹シリーズ)されており「ずうのめの人形」などきになる響きのタイトル目白押し。私は他の作品も一気に読んでしまったぐらい面白かったです。

6.狗神

地方の風習や土着の恐怖がじわじわとくるホラー小説。高校の頃から、作者の坂東眞砂子さんの作品が好きで色々読んできましたが、その中でも一番「狗神」が好き。

地方の閉鎖的なコミュニティ、風習といった息苦しさが作品全体から感じられます。

どの地方にもきっと存在する、目に見えない圧力が巧みに描かれており、それがまた恐怖に一役買っています。

そこに血筋であったりとか、性愛などがからむことで、土と血と汗が入り混じったようなじっとりとした怖さが。

民俗学的な怖さが好みの人にはすごくおすすめなホラー小説です。

(ちなみに「狗神」は映画化もされていますが、そちらは小説の面白さをちっとも表現できていない残念な仕上がりでした。「リング」以降、角川ホラー文庫が続々と実写化されましたが、正直どれもパッとしなかった。。。)

7.ぼっけえ、きょうてえ

明治か大正頃の、岡山の遊郭で繰り広げられる遊女の告白。はっきりとした怪異ではなく、人が心の奥底にもっている醜さ、恐ろしさみたいなのがじわじわときます。

ぼっけえ、きょうてえとは岡山弁で「とても怖い」との意味だそう。ラストまで読み進めると、なんとも嫌ぁな、あやしさとじくじくとした恐怖が。

暗闇の中、ぼんやりとした灯りの中でとつとつと遊女が語るイメージ。そのバックグラウンドにはかつての日本のすざまじい貧困や苦しみ、生きていくための辛苦のようなものが見え隠れしました。

作者は、現在豹の格好とエキセントリックな言動、行動で知られる岩井志麻子さん。今の岩井志麻子さんをじっくりと眺めた後に、この小説を読むと「いったいこの人の頭の中はどうなっているんだろう」という別の恐怖も味わえるような気がします。

8.首無の如き祟るもの(刀城言耶シリーズ)

三津田信三さんの作品。この作品は刀城言耶シリーズの第1作目で、ホラーとミステリーが見事に融合された作品。

刀城言耶シリーズの怖いところは、起こっている怪異が心霊的なものなのか、それとも人為的なものなかが極めて曖昧なところ。

読み終わっても、すっきりとすることは少ないです。常にもやもやとした恐怖が後にのこるところが、一つの魅力。

シリーズの特徴として、登場人物たちの名前がものすごく難しいというのもあります。苗字も名前も見たことのない漢字、組み合わせが多く、誰が誰なのかというのを把握するにはちょっと時間がかかります。

9.わざと忌み家を建てて棲む

こちらも三津田信三さんのホラー小説。Wikipediaで調べたところ、幽霊屋敷シリーズの2作目となっています(一作目は「どこの家にも怖いものはいる」)。

この小説の何が怖いかって、出てくる幽霊屋敷「烏合(うごう)邸」 の設定がやばい。

全国からいわくつきの事故物件などを集め、一つの屋敷に組み立て直したという設定。そこで起こった出来事などを、住人たちの記録などから調べ上げ、烏合邸の謎に迫っていくというもの。

こちらもホラーなのかミステリーなのかはっきりとしない怖さがあります。私的には事故物件を一つに組み上げるという設定だけでも大満足でした。

「わざと忌み家を建てて棲む」三津田信三のホラーは設定もやばい

10.姉飼

だいぶ昔に読んだ本ですが、「姉飼」を読んだ時の衝撃はいまでも覚えています。そもそも小説の設定がおかしい。よくこのような着想をしたなと、その着想自体にぞっとしたもの。

もちろん架空の設定なのですが、それでも実際どこかの地方にありそうな生々しさをも兼ね備えたホラー小説。

生理的に嫌悪感を及ぼす、顔をしかめたくなるような怖さと悪夢的なイメージの連続。美しさと醜さのコントラストがくっきりと分かれているところもあります。

舞台の中に、脂祭りというのがでてくるのですが、縁日の風景というのは懐かしさとともに、妙な不気味さも呼び起こしますね。

幼い日の縁日の記憶。白熱灯であかあかと染まった屋台は楽しいのだけれど、その奥にある夜の神社の怖さ。屋台よりも薄暗い明かりでぼんやりと照らされた参詣道。

だれしも幼いころに抱いたことのある、夜祭の華やかな部分と怪しい部分。その感覚を刺激してくれるホラー小説です。

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