本日も快眠を目指すため、寝る前読書にぴったりな本をおすすめします。
私は夜寝る前に読む本のジャンルとして好きなのがグルメ系のもの。
食べ物がでてくると基本平和な証拠ですし、美味しそうだなぁってイメージするだけでもなんだか和んできます。
例えばテレビ欄を見渡すと1日の内で何種類もグルメ番組が放映されていますが、世の中癒しとしてそれだけニーズがあるということでしょう。
さて、数あるグルメ漫画の中でも、寝る前におすすめなグルメ本として紹介したいのは酒と肴のグルメ漫画「ワカコ酒」です。気楽な一人酒の幸福風景でこちらまで癒される漫画。
酒と肴のほのぼのグルメ漫画「ワカコ酒」
お酒と肴を楽しむワカコ
ワカコ酒の作者は新久千映さん。月刊コミックゼノンという雑誌で連載されています。コミックは累計100万部を突破しており、アニメ化、実写化もされている人気作品です。
内容はといえば、OLである主人公の村崎ワカコが仕事帰りや休日などに様々なお店でお酒と肴を楽しむという10ページほどで一話が完結する漫画。
「ワカコ酒」では毎回ワカコが一つのお酒と一つの肴を心の奥から楽しみ尽くすという内容になっています。
基本的に一人酒。好きなメニューを好きなペースで黙々と楽しむ感じ。ワカコの心の声がメインで、自身が発するセリフなんていうのはほとんどありません。
ワカコの肴は全部美味しそう
ワカコ酒の魅力は一品一品、どんな品でも主人公のワカコが本当に美味しそうに食べるところにあります。
特に変わった肴というものは出てきません。たいていの居酒屋にいけば大体はあるであろう定番メの肴が主。
だからこそワカコ酒にでてくる肴は、頭の中、口の中でそのものの味が明確にイメージできるのです。
揚げたてのメンチカツや新鮮なお刺身、味のしみた煮物などどれもこれも一度は食べたことがあるものばかり。
ただ、それら定番メニューを心のそこから美味しそうに食べるワカコを見ていると、頭の中にあるイメージが膨らんできて、より一層美味しそうなものに見えてきます。
それら美味しそうな肴とともに、その日お一杯をグイッと飲むワカコ。至福の時とともに、口からこぼれ出る決め台詞「プシュー」(感嘆の吐息)。
この「プシュー」と共に、こちらの疲れまで抜けていきそうな「1日お疲れ様!」って気分にもなります(最近YouTubeで一人酒の様子を配信するというものがありますが、それに近いかも)。
ワカコの絵柄がシンプルで、また表情に乏しいのもいいのだと思います。微妙な表情の変化でしみじみと酒と肴の美味しさを楽しんでいるのだなぁというのが伝わってきますから。
一人酒を楽しむ!ストレスも美味しいもので解消
普段はOLのワカコ。楽しい気持ちでお酒を飲みに行くこともあれば、会社で嫌なことがあってそれを引きずったまま飲みにくことだってあります。
最初は悶々としていますが、美味しいお酒と肴が来た途端、気持ちを楽しみのほうに全力でシフト。
まぁ、嫌なこともあったけどこの美味しいものが味わえる今が幸せってな感じで毎回締めくくり。
悶々とするワカコがいい感じに気持ちが楽になっていく描写を見ていると、こちらまで和んでくるのが好きです。
また、一人酒を気軽に楽しんでいるところも素敵。酒と肴を全力で楽しむのが目的。別に誰かと一緒じゃなくても、一人酒で素敵な時間を過ごせる。
一人だから気楽な時もあるし、その方が味覚と心地よさにより集中できる場合もあるのです。最近、いい意味での孤独を楽しむ方法というのが流行っていますが、ワカコの一人酒にはそれが感じられます。
お酒が飲めなくても(下戸でも)楽しめる酒漫画
かくゆう私はお酒が全く飲めない下戸です(ですのでグルメ漫画「孤独のグルメ」の主人公で下戸のゴローちゃんなんかには親近感を覚えます)。
ちょっと飲んだだけで頭痛や吐き気がするので、飲み会なんかに行ってもウーロン茶で通しているハンドルキーパー。
他のグルメ漫画、例えば「美味しんぼ」なんかで酒の回なんかあっても特に魅力を感じません。お酒の漫画でいうと「神の雫」や「レモンハート」なんかは面白いと思うのですが、主題のお酒に関してはいまいちイメージがしづらいところもあります。
しかし、このワカコ酒だけはお酒が飲めない下戸の私でも楽しめるお酒漫画。肴の描写にウェイトを置いているというところもあるのでしょうが、妙なお酒のウンチクがあまり出てこず、とにかく酒と肴を気軽に楽しむことが主題なので好きなのです。
細かい味がどうで、どういう成分がどうでといったようなグルメ漫画の常套句ではなく、ソースと油が美味しい、お出汁がじんわり美味しいなどとにかくわかりやすい説明に好感を持ってます(常套句のオンパレード「美味しんぼ」も好きですよ)。
ワカコ酒のように、下戸でも気軽に楽しめるお酒漫画ってなかなかないのでありがたいです。
ワカコ酒が寝る前読書におすすめな理由
短いページで一話が終わるワカコ酒。その一話の中に、一つのお酒、肴との出会いに楽しみと至福を見出すワカコが描かれます。
とにかく幸せそうに美味しいものを楽しむワカコを見ていると、感情移入といいますか、こちらまで幸せな気持ちに。
若干腹が減る時もありますが、美味しそうだなぁってイメージしているだけでも気楽な気持ちになってきますし、読むたびにどんどんリラックスした状態になっていきます。
なおかつ、ワカコ酒にはストーリーらしいストーリーがないので、毎回深刻な場面があるわけでもなく、常にまったりとしたペースが続いていくのも魅力。
少々気にかかることとかあっても、ぼけーっとワカコ酒の美味しそうな肴を見ていると、その気にかかるものがどっかいっちゃいます。
私の大好きなグルメエッセイ「丸かじりシリーズ」にも共通することですが、美味しいものの幸福感は描写だけでも伝わってくるのだと思います。
お酒が好きな人も、そうでない人も、ワカコ酒で寝る寸前まで身近な居酒屋グルメを楽しんで、時には明日の肴を決めて楽しみに寝るのもありじゃないですか。
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