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北海道のどでかい農業で癒されるエッセイ漫画「百姓貴族」

百姓貴族のイメージよく寝る本

本サイトでは寝る前に読むのにおすすめな本の紹介を行っています。

今日おすすめしたいのは「鋼の錬金術師」や「銀の匙Silver Spoon」などの人気作品を世に送り出してきた、漫画家の荒川弘先生が描く農エッセイ漫画「百姓貴族」です。

荒川先生の実体験が赤裸々に描かれ、北海道での農家の生活や畜産の様子が面白おかしく描かれています。

最近読んだエッセイ漫画の中でもトップクラスの癒しと面白さ。

北海道でのダイナミックな農業、正直大変そうだけれども、読むとどんどん和んでくる「百姓貴族」を紹介します。

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荒川弘が描く北海道が舞台の農業漫画「百姓貴族」

北海道で酪農、農業を営む荒川弘家

「百姓貴族」の作者で数多くの名作を世に送り出してきた人気漫画家荒川弘先生はもともと農家の家のうまれ。

ご実家は酪農や農業をやっており、牛を育てミルクをとり、またその牛の糞を堆肥にして野菜を育てるといったような生活だったよう(まさに百姓!)。

「百姓貴族」内に幾度も出てきますが、お父様がワイルド。農機具なんかも自分でがんがん修理するし、あちこち怪我したりしてもへっちゃらなおひと。

荒川先生自身も幼少期よりご実家の農業を手伝われていたようで、いままで抱いていたイメージとは違い(女性漫画家なのでおとなしい人かと思っていた)かなりワイルドライフどんと来いな人みたいです。

サンデーで不定期連載中の「銀の匙Silver Spoon」は農業高校を舞台にした漫画ですが、荒川先生の実体験があるからこそのリアリティーのある仕上がりになっているのですね。

荒川弘さんのエッセイ漫画もおすすめ

「百姓貴族」は北海道で農業をされているご実家や自身の生活のことなどを面白く描いた、荒川弘先生のエッセイ漫画になります。

おそらく一番有名な「鋼の錬金術師」などのイメージが強いと、荒川弘先生はファンタジーが得意な作家さんという印象も持たれている人が多いのでは無いでしょうか。

しかし「銀の匙」での日常生活漫画も面白いですし、この「百姓貴族」もエッセイ漫画でありながら、笑いや面白みも多分に含んでいます。

派手なアクションシーンこそ無いですが、「百姓貴族」は荒川弘先生の面白みをダイレクトに味わえるエッセイ漫画。今までの荒川弘先生の漫画で、ギャグのやり取りなんかが好きな人には特におすすめしたいです。

本州ではイメージ出来ない雄大さが魅力の「百姓貴族」

北海道の農場

「百姓貴族」の中では荒川先生の幼少期から現在までの様々な農業生活をそのままエッセイ漫画にしています。

高校生活のとこなんかは「銀の匙」ってそのまんまの体験を描いてるんだってことがわかりますし、旦那さんやお子さんとの生活の話題も出てくるので荒川先生の人となりがわかります。

読んでいて一番面白いなと思うのは、北海道の牧場や農場の雄大さ。

「百姓貴族」にでてくる農場や牧場の規模がかなりでかいです。その牛を育てるための飼料や牧草も雄大なところで取れるし、牧草なんかを置いとくサイロやロールラップサイロ(牧草を固めた丸いやつ)の話も身近にないものばかりなので、目新しいものばかりです。

それと巨大な農機具や小屋なんかもワクワクしますね。身近にないもの、しかも巨大なもの(農業用具)がいろいろ出てくるので、ロボットや秘密的なワクワク感を持って楽しめました。

酪農

旅番組とかご当地探訪みたいな番組がありますが、あれのもっと生活密着型みたいな面白さが「百姓貴族」にはありますね。

私の身近にはない北海道での農業生活。どんなものを普段食べ、どういう生活サイクルをしているのか。あらゆることが珍しいし面白い(こちらの感覚でいえばすごく贅沢な食生活に見える時も。そういうニュアンスこそ百姓貴族というタイトルの由来)。

私は田舎育ちなので、「百姓貴族」の中にでてくる農業で採れたものの物々交換や猟でとれたものをもらうっていう感覚はなんとなくわかるのですが、それでも北海道ならではの産品がたくさん出てくるので、読みながらどんな味なんだろうって妄想が広がります(参考:美味しんぼの山岡さんも推薦の料理随筆「土を喰ふ日々」)。

漫画でさらりと描かれるヒグマの話が恐ろしい

ヒグマイメージ

私の棲んでいるところは田舎なので時々山道で熊がでたって噂になります。

本州ですのでツキノワグマだと思いますが、熊が出たとなるとしばらく山道に近づくのが怖くなるものです。

「百姓貴族」の中で荒川弘先生の牧場周辺などでヒグマが出没する話なんかがちょいちょいでてきますが、ツキノワグマでも怖いのにさらに巨大なヒグマが出るなんて考えただけでも恐怖。

しかも山とかでなく、農場までやってきて作物を喰らうというのですから、怖さはなおさら。荒川弘先生の描写でも、他の動物とは違う、別格の念をヒグマに抱いているのがわかります。

「百姓貴族」ではそんなにヘビーには描いていませんが(むしろさらりと描かれる)、北海道で酪農、農業、畜産などを営む人々の熊への感覚というのが少し解った感じがします。

「百姓貴族」のようにギャグ生活エッセイ漫画は癒しの王道

大自然の癒し

基本的にギャグを含む生活エッセイ漫画って癒されるものが多いです。

その作家さんの実体験を、サービス精神で面白おかしく描いているので、見ていて面白いしなんとなく良いなぁって気分になれるから。

もちろん実体験をベースにしていますので、作品によっては辛いことも描かれるエッセイ漫画も多いですが、この「百姓貴族」に関しては私的に面白癒し要素が高かったです。

「北海道」と「酪農、農業、百姓」っていう身の回りにないものが主題なので、現実世界なんだけれどもちょっと別の世界的な感じだからでしょうか。

それと街中でなく、農業をする舞台が比較的自然の多い場所(農場である時点で自然とはちと違いますが)を描写しているのがなんとも癒されるのです。

「百姓貴族」を読んでいると新たな知識も増えますし、旅情気分も味わえますし、素敵なグルメの想像をふくらましたりと寝る前に癒されるにはぴったりのエッセイ農業漫画でした。

一つ一つの話も数ページほどなので、寝る前の読書にもちょうどいい区切り加減です。

寝る前の読書時間に、荒川弘先生が描く雄大な北海道の農業にイメージを膨らませ、頭の疲れを癒して眠りについてはいかがでしょうか(農業やってる人だと逆に仕事を思い出して疲れるかもしれませんんが)。

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