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感想「天才はあきらめた」山里亮太の嫉妬と努力

「天才はあきらめた」山里亮太著読書録

南海キャンディーズ山里亮太さんの自伝的作品「天才はあきらめた」。

テレビで大活躍している山里さんですが、そこには知られざる苦悩と葛藤の過去が。

現在のやや毒のある芸風がどのようにして確立していったのか、山里亮太という芸人はどのようにできていったのかがわかる一冊。

感想とともにレビューを記します。

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「天才はあきらめた」感想。山里亮太の嫉妬心

本書「天才はあきらめた」の著者は、いわずとしれた山ちゃんこと山里亮太さん。漫才コンビ南海キャンディーズで漫才をする傍ら、すっきりの天の声役やラジオなど多彩なジャンルで活躍しております。

昨年は、女優の蒼井優さんと電撃結婚をはたすなど、世間をアッと言わせた一面も(これには本当にあっといわされました。会見映像を見てもなかなか現実と信じられなかったぐらい)。

そんな山里亮太さんの、自伝的本となるのがこの「天才はあきらめた」。

この本に興味を持ったきっかけは、オードリーのオールナイトニッポンで、若林さんが紹介されていたのがきっかけ(「天才はあきらめた」の解説も若林さんが担当されています)。

若林さんは山里さんのことをとても評価しており、「マウントをとらしてし下から関節を決める」との表現も。ある意味、山里さんの芸風というか人間性をうまく表していますね。卑屈で下にしたになるようにしておいて、怒涛の反撃。それこそが山里さんの持ち味。

そんな山里亮太という男がどのようにして形成され、どのようにして現在まできたかを描いたのがこの「天才はあきらめた」です。

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正直な感想としては、嫉妬の鬼だなと。実は以前テレビ番組の「しくじり先生」で山里さんが出演されており、そこで本書の内容の大体のことは知っていたのですが、本人の文章としてみてみるとなかなか重みが違う。テレビ番組として面白おかしく演じていない分、山里さんの闇と嫉妬とそしてそれをエネルギーにした努力の軌跡がありありと見える本です。

お笑い芸人になるために、大阪に行く口実として関西の大学を受験し合格。大学在学中にNSCに入るも、同期生には「キングコング」が。「しくじり先生」でキングコングの梶原さんが出た回がありましたが、NSC在学中から相当イケイケだったそうです。まだプロになってないのに、賞レースを獲得し、NSCの講師陣もウハウハ。その一方で、他の同期からはめちゃくちゃ妬まれたり嫌われていたりしていたそう。

山里さんは関西の有名大学を合格するぐらいだからもともとクレバーな方。だからこそ、NSCに入ってもそこそこ上位で立ち回る自信はあったことでしょう。しかし、キングコングという図抜けて優秀な同期が現れる。ある意味芸人自生最初の大いなる挫折。そして嫉妬。

「天才はあきらめた」の中には、キングコングのことをはじめ数々の嫉妬や恨みのシーンが出てきます。南海キャンディーズの相方しずちゃんへの嫉妬、同期や売れている人への嫉妬、自分を馬鹿にした人への恨みの数々。

通常の人ならば、それだけで終わっていたのかもしれません。ただ嫉妬し、恨み、しかし自分に実力がないことは事実なので芸人の世界から消えていく。しかし山里さんは違いました。

それら嫉妬や恨みを逐一ノートに書き記し、ためていたのです。自分がくじけそうになった時は、それをみて「なにくそ、絶対に見返してやる、あいつらをひれ伏させてやる!」といったような、ある意味復讐の化身。

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人によっては、ノートにまで書き記しておくなんてなんと執念深いと思う人もいるかもしれません。しかし、こうやって書き出して見える化しておくっていうのは、案外効果的なこと。心理学の本とかでも、悩みなど抱えているものは一旦書き出すことが効果的とあります。自分の中で嫉妬や恨みをためておくと、いつまでもそれが渦巻き続けて、精神的によくないから。

しかし、書き出すことで客観化できるし、それを参考に新たな一歩を踏み出せることも。山里さんはしらずしらずのうちにそれを続けていたのでした。

嫉妬や恨みの心とともに、「天才はあきらめた」で印象にのこったのは、他人への厳しさ。最初に組んだ相方も厳しい要求で解散。二度目に組んだ足軽エンペラー(ガチンコ漫才道という番組でトップをとったことも。リアルタイムで観てました)も山里さんの課題な要求にたえられず解散。そして現在の南海キャンディーズでも、しずちゃんへ過剰なまでの厳しい要求を課していたそうです。

他人にそれを要求するのは、山里さん自信のお笑いへの真剣度であったり、上へ登りつめていきたいという欲、馬鹿にした奴らを見返してやりたいという復讐心や嫉妬心などがないまぜになったものだったのでしょう。南海キャンディーズの場合には、そこにしずちゃんへの嫉妬(女優として成功していったところなど)がありますが。

「天才はあきらめた」にはでてきませんが、以前、たしかラジオで、若林さんが「山ちゃんは自分にも厳しい」と言っていました。かつて、足りない二人という企画があり、そこで若林さんと山里さんは一緒に漫才をやったそうです。漫才終わり、若林さん的には十分な出来だと思っていたのに、終了後山里さんは「あすこがダメだった、ここを改良しなきゃ」とずっと自己反省をしていたそう。そして次の日にはそこを改良してもっと面白いものに仕上げてきたそうです。

山里さんは何に厳しいのか。結局笑いというものに厳しいのでしょう。それは笑いというものが、自分の唯一の支えだから。自尊心にもつながるから。笑いがなければ、身を引き裂かれるほど辛い。自分の全存在が否定されているような気になる。「天才はあきらめた」からはそんな感想も受けました。

だからこそ、山里さんは笑いを追求し続けるし、ストイックに自分を甘やかさないスタイルを貫き続ける。本書のタイトルに「天才はあきらめた」とありますが、それは結局山里さんの笑いが才能によるものいうよりも、日々の努力の積み重ねから生まれているということなのかと思います。本当に笑いの天才ならば、そこまで努力をしなくても笑いがとれる。しかし、それができないからこそ、自分にそして他人に過剰な厳しさを課してまでも、ストイックに芸人の道を努力して突き進んでいるのです。

幸いなことに、近年ではその努力が報われ活躍の機会が増え、相方のしずちゃんとの関係も良くなり、いい意味で自分のスタイルを確立した山里さん。そしてすばらし女性と結婚することもできました。

嫉妬と恨みをエネルギーにし続けながらの茨の道を乗り越え、苦悩と努力の先にこの今があって本当に良かったなと。

芸人山里亮太という男の生き様、それは決して美しいものではありませんが、この泥臭い、血反吐の軌跡を糧に大輪の芸人が咲いたのでした。

読書録
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