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「マーケット感覚を身につけよう」まとめ

ちきりんの「マーケット感覚を身につけよう」デザイン・アート

ものを売る商売に従事している人にとって、何が売れるのかどうしたら売れるのかというのは重要な問題かと思います。それは具体的なものだけでなくサービスなどにもいえるでしょう。

そういった、何かを売るということについて、必要となってくるのがマーケット感覚。

本日紹介するのはちきりんさんの「マーケット感覚を身につけよう」では、基本となるマーケット感覚についてのことや、身に付けるために必要な事柄がわかりやすく紹介されています。

本書を読めば「価値のあるもの」、「売れるもの」、「自分を高く売れる市場」などについての知識が得られます。

もの売る仕事に就いた、または着きたいけれど、何から学べばいいのかわからないという人に、最適な入門書であるといえるでしょう。この記事では、本書の概要をまとめています。

マーケット感覚の概要や考え方を学べる本「マーケット感覚を身につけよう」を読んで実践すれば、きっとあなたの仕事に役立つことでしょう。

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「マーケット感覚を身につけよう」まとめ

マーケット感覚とは何か

作者のちきりんさんは外資系企業勤務を経て文筆化になった方。「Chikirinの日記」やツイッターなどで、社会や経済の様々な事象について鋭い視点で切り込んでいます。

本書はちきりんさんが、これからの社会で重要となってくるマーケット感覚について書かれた本。簡単にいえば、いかに価値に気づいて、高く売り込んでいくかということについて書かれた本です。

マーケット感覚とはそもそも何なのか。本書の冒頭には「売れるものに気がつく能力」であり、「価値を認識する能力」であるとしています。このマーケット感覚こそが、これからの時代に重要であると本書では語られています。

かつての日本では、相対取引(自分で取引相手をさがし、個別に条件取引する方法)が主流でしたが、インターネットの登場でそれらは市場取引に置き換えられる事例が増えてきました。

たとえば、昔は就活なども少ない情報源の中で自分で企業を探し歩き、コネがない場合には面接すら難しい場合もありました。しかし、ネットによって、リクナビなどのサイトを通じて、コネや個人的つながりがなくとも様々な企業を受けるチャンスが増えることになった。就活サイトという大きな市場で、需要(企業側)と供給(就活生)がマッチングするようになった。現代において就活自体が市場取引となっているのです。

インターネットの普及により、これまでそうでなかったものが多く市場(マーケット)化されている昨今。言い換えればあらゆるものがマーケット化されている時代だともいえます。そういう時代だからこそ、新たな「売れるものに気がつき」、「価値を認識する能力」能力、つまりマーケット感覚を鍛えることが必要となってくるのです。

市場価値を高めるにはどこを狙うか

さらに、そのマーケットはグローバル化されています。たとえば、日本国内だけでなく世界規模に目を向ければ、価値というの変化する場合も。

自分をどこで売るべきか。自分が高く売れる市場はどれなのか。「一生懸命頑張る!」の前に、どの市場で頑張るべきなのかという市場の選択にこそ、マーケット感覚を働かせる必要があるのです。 P93

例えば、日本国内でのファーストフードのアルバイト達はサービスや接客スキルが非常に高いとされています。しかし、日本国内においてはせいぜい時給が1,000円ほど。もし、ある程度裕福で、なおかつ接客サービスが高まっていない国に行ったら(市場を変えたら)、やっていることは変わらなくても、その人につく価値はうんと高まる可能性だってあるのです。

自分が高く売れる市場を考えた場合、それだけ競争相手の少ない市場を狙うのも一つの手でしょう。ちきりんさんは、これからの外国語学習の場合、飽和状態になっている英語のスキルよりも、インドネシア語を学んだ方がいいかもとの助言があります。なぜならインドネシアの成長率は高いし、まだ日本にインドネシア語を話せる人は少ないので、それだけ市場価値が高くなるからとのこと。

マーケット感覚さえ高めておけば、今後何を勉強すれば自分の市場価値が高まるかというのも自ずとわかってくるようです。

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価値に注目する

「そんなこと言ったって、自分にはそんなスキルも価値もないよ。」と思う人もいるかもしれません。しかし、深く掘り下げていくと、専業主婦の方だって日常生活の中で大きな価値を持っているかもしれないのです。

たとえば、一般的な家事の中で、日常的に感じている不満など。じつはそういう一般目線で感じている不満などを企業などは喉から手が出るほど欲しがっている場合もあるのです(その不満を解消できる商品を作れば売れるから)。

「マーケット感覚を身につけよう」の中でも紹介されていますが、実際にそういう不満を一個10円で買い取り、企業に5円で売るという商売もできているそう。これって、専業主婦だからこそ日常家事で感じている不満に価値が生じた結果です。

一見わからないようなことでも、市場に出せばそこには新たな価値がつくこともあるのです。何も具体的なもの売るというだけでなく、自分のセンスや誠実さだって価値になることも。

糸井重里さんや栗原はるみさんは、自分が売っているのが手帳やフライパンだなどとは思ってもいないでしょう。売っているのはものを選ぶときの価値観やセンスであり、毎回の販売を通じて獲得した(孫が祖父母にそう思われているのと同じレベルの)購入者からの信頼感です。 p120

たとえば専業主婦の人も、自分が日常生活の中で「これがあればすごく家事がはかどる!」っていうグッズがあるとします。それをネットなどでおすすめして、実際に他の人も便利さを感じた人がいれば、次回以降もその主婦のおすすめするものに信頼感を持つことでしょう。そうした場合、専業主婦が便利と感じるセンスに価値が生じたことになるのです。

たとえとして、専業主婦の方を例にだしましたが、これは様々な業態にも応用できること。自分が当たり前に感じていることに、とんでもない価値が潜んでいるかもしれません。

「マーケット感覚を身につけよう」まとめ

「マーケット間買うを身につけよう」では、この他にも事例をあげながら、マーケット感覚とは何かの説明、なぜそれが大事なのか、マーケット感覚を身につけるための具体的な方法などが記されています。

特に、マーケット感覚を身につけるための具体的な方法はプライシング能力を身につけることからはじまる5つのプロセスが紹介されています。この5つのプロセスを理解すれば、「これから何が売れるのか」ということに気づく能力が養われるわけです。

本書を読んだだけで、すぐにマーケット感覚を鍛えられるわけではありませんが、本書を参考に毎日の生活で書かれていることを実践していけば、おのずと「売れるもの」や「価値に」気づく能力は高まっていくはずです。

これからの変化の多い世の中で、ある意味うまく渡っていくための武器として。マーケット感覚を身につけ、自分を安売りしないようにしていきましょう。