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「アイデアのつくり方」アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ

アイデアのつくり方 デザイン・アート

アイデア出しの王道とは。一生使えるアイデア発想法が知りたい。そういう人におすすめの本のご紹介。

私はデザイナーという職業柄、一般の人よりは何かアイデアをひらめかなくてはならない機会が多いです。

アイデア。普段からよく使われている言葉ではあるけれど、その実態はなんとも曖昧なもの。

「新規で、奇抜なアイデアを出せ!」と会社で言われたことのある人も多いのではないでしょうか。そしてそれを言われて途方にくれたという人もかなりいるかと。

私の場合でしたら、依頼されたデザイン、例えば広告などでしたらどのようなテイストでどのような素材を使うかなど、その都度アイデアを出さなければならない場面に直面します。

日常的にそういうことを繰り返しているからか、畑違いのイベントや仕事などでもパッとアイデアが出やすくはありますね。そんな時よく言われるのが「そういうアイデアを出せるのってデザイナー(クリエイター)だからできるの?」と。

別にアイデアを出すのは才能とかそういうのではないと思っています。基本的に一定のプロセスを踏めば自然と湧いてくるもの。そのプロセスを学べば、たいていの人はアイデアに対してそんなに及び腰にはならないかと。

今回紹介するのはそんなアイディアを出すプロセスを紹介した名著「アイデアのつくり方」。これを読めば、様々な場面でアイデアが出る一生もののテクニックが身につくやもしれません。

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「アイデアのつくり方」アイデアは既存の要素の新しい組み合わせであり、関連性を見つけ出すのが重要である

名著「アイデアのつくり方」とは

この「アイデアのつくり方」というのはアメリカの実業家ジェームス・w・ヤングという人が1940年に発表した知的発想法の名著です。

半世紀以上前の本ではありますが、アイデアを出すための普遍的なテクニックが記されており、現代でも十分使えるテクニック。

本書におけるメインの部分は50ページほどと短く、30分もしないで読めるようなものですが、そのテクニックは一生ものです。

アイデアはゼロから生まれない。既存の要素の新しい組み合わせである。

宇宙

よく勘違いされていることですが、アイデアというのはゼロから生まれるものではありません。

独創的なアイデアを目の前にした時に、それが全くゼロから生まれた未知のものであるように取り沙汰されることがあります。みなさんも経験的にそんなことないでしょうか。

特にそれがクリエイティビティに溢れることであると、なおさらそんな雰囲気が。「あの人は才能があるから、あんなゼロベースからのアイデアが出るのだ!すごい!」と。

しかし、絶対にそんなことはないのです。無から有が生まれるなんてことは、たとえ知的生産の分野であってもありえない。その新規で、今までに見たことのないアイデアであったとしても、それは既存の要素の新しい組み合わせにすぎないのです。

「アイデアのつくり方」においても、それは冒頭に述べられています。

アイデアがゼロから生まれると勘違いしてしまうと、才能論云々になってしまう危険性が。そんなことはなく、たとえ優れたアイディアであっても「既存の要素の新しい組み合わせ」という事実をまずは知っておいてください。そのアイデアを分解していくと、多くの人が知っているような既存の要素がかならず見つかるからです。

例えばiPhone。iPhoneは優れた、革新的なアイデアにあふれた製品です。しかし、全くゼロベースから生まれたわけではありません。iPhone以前にも他者からスマートフォン状のものは出ているし、アップル自体もニュートンというタッチデバイスの製品を過去に出していました。そういう既存にあった要素の組み合わせと、新しい技術の導入、そして新しい使い方のビジョンなどが合わさってiPhoneという独創的なものは生まれたのです。何も、スティーブジョブズという人が、まったくゼロからひねり出したものではないのです(ジョブズはニュートンを毛嫌いしていたそうですが)。

物事の関連性を見つけ出す才能

美しい女性たち

ヤングさんは「アイデアのつくり方」において、アイデア作成の基礎となる一般原理は二つあると述べています。

一つは、上記で記した「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」ということ。

そしてもう一つは「事物の関連性を見つけ出す才能」だと言っています。これがあって、既存の要素を新しい一つの組み合わせに導くのだと記されています。

この記事の冒頭部分で、本書を読めば誰でもアイデアが出せるようになると記しましたが、この関連性を見つけ出す能力というのは、正直なところ若干の個人差があります。しかし、私の経験上これはアイデア出しを繰り返すのと、年齢が上がるにつれて、世の中のリンク(関連性)がよく見えるようになってくるように感じます。

一見、関連性のないように見えるものでも、よくよく観察してみればリンクするものが見えてくる。その観察を繰り返せば繰り返すほど、日常的な習慣として物事の関連性を見つけやすくなるかと思います。

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アイデアを生み出すの5つの段階

さて、本書において、アイデアというものは既存の要素を新しい一つの組み合わせにすぎないということがわかってきました。

では実際、どういう方法をもちいればアイデアは生まれるのか。「アイデアのつくり方」において、アイデアを生み出す5つの段階が紹介されています。何か解決すべき問題に対してアイデアを出す時にはこのようなプロセスを踏むといいでしょう。

1。資料(データ)収集
2。資料(データ)の咀嚼と組み合わせ
3。その問題をすっかり忘れる
4。ひらめきが訪れる
5。そのひらめきを精査して、使えるアイデアに鍛え上げる

です。

1の資料集めの部分はなんとなくわかるかもしれません。まずは、アイデアを出さなければならない問題に関して、役立ちそうな資料(データ)をとことん集めます。先にも記したように「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」であるのだから、現時点で様々な資料(既存の要素)を集めておく必要があります。

2の咀嚼はその資料を理解すること。集めただけではなく、それらがどういうものかということを噛み砕いて頭に入れておかなくてはいけません。また、それと同時に、集めたばらばらの資料(データ)を色々と組み合わせる努力をする必要があります。まるでパズルのように。一見噛み合わないようなもの同士、どこかでつながるところはないか。結構しんどいですが、新しい組み合わせ(アイデア)を見つけるためには必要な工程。この段階ではまだアイデアが訪れないでしょう。しかし、諦めないで、色々と組み合わせを考えてみましょう。このプロセスにおいて

ちょっとした、仮の、あるいは部分的なアイデアが諸君を訪れてくる。それらを紙に記入しておくことである。どんなにとっぴに、あるいは不完全なものに思えても一切気にとめないで書きとめておきたまえ。これはこれから生まれてくる本当のアイデアの前兆なのであり、それらを言葉に書きあらわしておくことによってアイデア作成過程が前進する

ともあります。

3ですが、2で努力した後は、一旦アイデア出しについて、その問題についても忘れてください。頭の中から放り出すのです。でも安心してください。意識上では忘れているつもりでも、頭の奥の方では新しい組み合わせを見つけるための作業が行なわれているはずなのです。

幸せな気分の画像

そしてまちにまった4の段階!ある日、それも何かリラックスしているような時にアイデアは訪れます。太古よりアイデアは馬の上、トイレ、ベットの中に舞い降りると言いますが、リラックスしてぼーっとしている時ほど、良いひらめき、アイデアは舞い降りるのです。私の経験で言えば、お風呂に入っている時や寝る前なんかにこの瞬間は多いです。3のアイデアから離れるという行為は一見不安になりますが、ただそのことばかり考えていてもなかなかアイデアはでませんね。よくありがちなものばかりしか思いつかない。それよりも一回そこから離れた方が、今まで思いもつかなかったようなアイデアが訪れる確率はぐんと高いです。

そして最後の5の段階。そうして出てきたアイデアは、新しさを備えていますが、実際にそのまま使えるかどうかはまた別。一度それを吟味し、精査して鍛え上げて、はじめてそのアイデアは使えるものとなるのです。

アイデア出しの王道

「アイデアのつくり方」は、それほど特別なことは書かれていません。人によっては「なんだこりゃ?アイデアの極意ってこれだけか?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、実際アイデアを頻繁に出さなければいけない仕事をしている身にとっては、このプロセスはもっとも確実な方法。当たり前のように見えて、揺るぎないアイデア出しの王道なのです。

特に、軽視されがちな3の頭の中から放り出すプロセス。これを軽視してはいけません。そしてリラックスした時間を持つのも大事。アイデアで既存の要素から新しい組み合わせが生まれる瞬間って、経験則上リラックスしている時間ばかり。イライラしていたり、ストレスがたまっている時にアイデアが出たためしがありません。

「アイデアのつくり方」は半世紀以上前に記された本ですし、現代ではアイデア出しの方法としてブレインストーミングやKJ方などを始め数々の優れたテクニックがあります。

しかし、こと一人でも行えるアイデア出しの王道として、これほど単純で役立つ方法はないでしょう。

シンプルで短い本書の中に、一生役立つ基本要素が詰まっていますよ。

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