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「販路の教科書」ものづくりをなりわいとするに読んでほしい本

販路の教科書 デザイン・アート

ちょっと変わった本のご紹介。

「販路の教科書①」という、地方で活動する作家さん(ものづくり系)がいかにして販売していけばいいかという本(①というからには②もあるのかもしれませんが、とりあえずここではこの号だけご紹介)。

以前どこかのサイトでこの本の紹介を見て、気になっていました。

私自身はデザイナー職をしており、なにかものづくりそのものを生業にしているわけではないのですが、お客さんや友達にはそういう人が多い。

しかも地方で活動しているので、みなさんなにがしか販路については頭を悩まされています。

なにかヒントを見つけられないかな?と購入。きになる部分をまとめてご紹介したいと思います。

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「販路の教科書」地方のものづくり、職人はいかに売り出していけばよいのかの本

「販路の教科書」とは

販路の教科書

「販路の教科書」は2015年に開催された、越前ものづくり塾という勉強会で出てきた内容を抜粋して本にしたもののようです。

様々なバイヤーさんやセレクトショップ経営者などを講師に「何を、どう世界に売っていくか?」を主題に語られています。

日本各地の伝統産業、そしてそれを継承する人たち。昔は、その地域内の経済でまわしていても十分やっていけたであろうものづくりの現場。

しかし、人口減少や、これだけ流通が発達した中でそういったものづくりをする人たちはいかにしていくべきかの提言が数多くなされていました。

売って資金を回収するところまで見越したものづくり

私のまわりの作家さんなどでもそうですが、すごく良いものを作る人って、地方でもけっこういるんですよね。

すごい技術を持っていたり、密かによその地域にはない伝統産業を継承していたり、もしくは大量生産品にはない独特なデザインとセンスをもつ作家さんなどものづくりな人たち。

そういう人たちはものづくりの技術は素晴らしいのですが、一方で売ることになると「うぬぬぬぬ。。。」ってことも。

「販路の教科書」でまずでてくるのが「ものづくり=企画・立案×試作・製造×流通・回収」の公式でした。「流通・回収」!

ものづくりを生業にするためには、大前提としてそれで食っていかなきゃならんわけです。ということは、いかに良いものを、素晴らしいものを作ったとしても売って、お金を回収するシステムまで構築しないことにはものづくりで生きていくことはできない。

それこそ、昔なら良いものを作っていれば地方経済で十分お金の回収もできたでしょう。しかし、世界中から良いものの情報は手に入るし、それこそ同じ系統で安いものも手に入る時代。何もしていないと、そんなものづくりしていることすら知られずに時間だけが過ぎて行ってしまいます

この本の初っ端から、一見あたりまえのようで、日本全国のものづくりの人が見落としがちな部分にずばっと攻めている点が素晴らしい。

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ものづくりや伝統産業を売るために必要なもの

さて、ものづくりや伝統産業などを世間に売っていくためには何が必要か。「販路の教科書」には様々なプロセスが載っています。その中でも、本書を読んでもっとも重要だと思ったことを以下に抜粋。

1。情報発信

何はなくともこれが基本!情報を発信しなくては、自分がものづくりをしていても、誰にも知られないと思っていて良いでしょう。

もちろん、良いものをつくれば口コミで広がる場合もあります。しかし、それは運だのみの部分もあるし、受身。自ら能動的に展示会に出展したり、snsやウェブなどを使って大いに情報を発信していく必要があります。

2。クオリティの高い「写真、プレリリース、動画」

青木昭夫さんという方の章では「写真、プレリリース、動画」の重要性が語られていました。展示会などではあらかじめ商品写真、どういうものなのかを説明したプレリリース、そして制作過程などや作家の人となりをアピールする動画が重要であると。これらは特に、バイヤーさんにアピールするためのものです。

その際重要となってくるのがクオリティが高いということ。バイヤーさんをはじめ、現代の一般のお客さんも相当目が肥えています。そんな中で、素人が撮った写真や、質の低いプレリリースなどでアピールしても誰も見向きもしません。いや、せっかく質の良いものづくりをしていても、かえって印象が悪くなる可能性だってあります。

プロのカメラマンやデザイナーに依頼して、質の良い写真、プレリリース、動画を作成する。そうすれば、バイヤーさんや一般のお客さんの目にとまる確率はぐんと高まります。

私がデザイナーとして感じていることは、素人さんが作った冊子などは見た目だけなく、伝えるべき情報も整理されていない場合が多いです。何を伝えるべきか、どうやって伝えるべきかなどをプロのデザイナーにまかせれば格段にクオリティは上がりますよ。

本書の元となったものづくり塾に参加した人のアンケート結果が巻末に載っているのですが、講座での学びからPOP作成やパンフレット作成、展示会での見せ方など、情報発信のクオリティをあげた人が多かったようです。

確かに最初はお金がかかるでしょう。しかし、こうした情報発信に投資することで、本業のものづくりでの回収結果に大きく差がでるということは心得ておいたほうがよいかと思います。

3。安売りしない。適正価格を伝える

相馬英俊さんという方の章で語られていたこと。価値あるものづくりを、今後の世代にも伝えていくのであれば適正な価格をつけ、そしてそれをお客様に伝えていく必要があると。

自分のまわりでも経験がありますが、ものづくりのクオリティや手間にあわない価格設定をされている方って、多いのでは?

「自分の作ったものを一人でも多くの人のもとに届けたい!」っていう気持ちもあるでしょうし、あんまり高くして売れないと困るってことで安値設定されている方もいるのではないでしょうか。

しかし、ものづくりで食べていくと考えた時に、あまりに安値を設定することは結果的にその仕事の寿命を短くすることにつながりかねません。「ものづくりのために投資した資金を回収してこそ、次につながる」という当たり前のことを忘れてはいけません。

しっかりと、製品をつくるためのバックグラウウンド、そして質の良さを伝えること。質の良いものにはしっかりと対価を払うお客様も多いので、そういう人に届くように情報発信と適正価格の努力は必要かと思います。

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ものづくりをしている人には読んでほしい本

「販路の教科書」の主なターゲットは伝統産業系が多いように感じましたが、ものづくりをしている人、そしてそれをなりわいにしたいと思っている人全般に役立つ本だという感想を持ちました。

特に今の時代では、様々な技術を使って積極的に世界へ売り込んでいっているものづくりの作家さんも多いかと思います。そういう人にも、一度基本やプロの思想などを学ぶために、役立つかと。

私もお客さん(クライアント)にものづくり系の人もいるので、そういう人の販路開拓へのアドバイスに本書を活用したいと思います。

「販路の教科書」はアマゾンなどでは売っていないのですが、恵文社さんのページで販売されています。

販路の教科書①-恵文社一乗寺店 オンラインショップ
海外、国内、Web、エディトリアルショップやライフスタイルショップ、百貨店や展覧会。高度成長期以降の「作れば売れる」時代や、変化する生活様式に対応した「機能追加型」の時代を経て、いま地域の産業品や個人作家のオリジナルブランドを人々に手渡すにはどのような場所や方法があるのか。本書は、和紙や漆器などの伝統工芸息
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