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『「売る」から、「売れる」へ。』水野学の名言まとめ

『「売る」から、「売れる」へ。』慶応講義での水野学の名言 デザイン・アート

デザイナーの私が、仕事にまつわる本をご紹介。

本日ご紹介するのは、グッドデザインカンパニー代表水野学さんの著書『「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義』(以下『「売る」から、「売れる」へ。』)。

水野学さんと言えば、くまモンや中川政七商店のロゴやブランディングなど多数のデザインを手がけられてきたデザイナー(クリエイティブディレクター)さんです。

そんな水野さんのデザインにおける考え方や、これまで手がけられてきたことを元に記された『「売る」から、「売れる」へ。』。

2014年に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにおいておこなわれた「ブランディングデザイン」の講義内容を編集し、再編成されてたもの。

デザイナーやクリエイターだけでなく、水野さんのデザインプロセスなどは、一般的に働く人にも学びの多い内容となっております。

そんな水野学さんの『「売る」から、「売れる」へ。』から、特に私が感銘を受けた言葉や名言を、備忘録的な意味でまとめてみましたのでどうぞ。

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『「売る」から、「売れる」へ。』に出てくるデザイン的名言

センスとは何か?

センスとは何か?よく使うけれども、実態があやふやな概念。それを水野さんは見事な言葉で表しています。

「センスとは、集積した知識をもとに最適化する能力である〜p53〜」

この言葉の後に、自分たちが何かを選んだりする場合、生まれ持った才能を頼りにしているわけでなく、これまで蓄積した知識をもとに、最適化をはかっていると述べられています。

例えば、おしゃれな人(センスのある人)はファッションに対する知識をたくさん持っている。それをもとに、TPOとか様々な条件をふまえて、最適化しているのがセンスというものではないかと。

よく、センスって生まれつきのものみたいに思っている人が多いですが、実際のはなし、知識、経験によるものが多いです。私でもそうですが、勉強して、色々見ているからこそ、仕事としてのクオリティのあるデザインを提供できる。生まれ持った才能というものはないし、あくまでこれまでの蓄積の結果があるわけです。

膨大な知識や引き出しがあるからこそ、その場で最適な解を提案できるってことがセンスなのでしょう。そこに様々な条件を考慮する条件を加えた上で「最適化」の言葉を選ぶなど、言い得て妙です。

センスを磨くにはどうすればいいのか?

センスを磨くということに対する、水野さんの考え。

ひとつは「王道、定番を知る」こと。
2つめは「流行を見つける」こと。
3つめは「共通点を見つける」こと。~p57~

センスを身につけたいものにやみくもに触れるのではなく、まずは「王道、定番」と言われるものを知りなさいとあります。

「王道、定番」を見つけることで、基準点が発見できる。そこを押さえておけば、何が奇抜なのか、差別化とは何なのかということもわかってくるはず。

それを押さえた上で、その時の「流行」の知識も蓄える。そして、それら蓄えたものを咀嚼し自分のものにするために「共通点を見つける」という作業を経ます。

センスは、これらのプロセスをこなすことで、ある程度磨かれていきます。

私的に重要だと思うのは「王道、定番を知る」と「共通点をみつける」。流行を追っかけているだけに終わってしまうと、センス磨きが遠回りになる可能性が高いです。

やはり「王道」は押さえておいて。なおかつ蓄えたものを、自分の頭で考え「共通点を見つける」プロセスをへて、はじめて己のセンスへと昇華されることでしょう。

人がたくさん入っている店舗の共通点

本書の中でも、かなり実用性の高い部分。

・床の色は暗め。
・通路がやや狭め。
・商品がごちゃごちゃと置いてある。
・天井が低め、もしくは入り口の上側が高すぎない。〜p81〜

これは、水野さんが、客の入りの多い店舗の共通点を探っていた時に発見したもの。先ほどの「センス磨き」のところであった「共通点を見つける」の具体例です。

こういう共通点を見つければ、このフォーマットにのっとって人がたくさん入る店舗デザインに進めます。

これは、汎用性が高く、様々な店舗づくりに応用できる発見かと。

ブランディングに囚われすぎない

ブランディングは大事ですが、それに囚われすぎるのも問題。

ただし、忘れてはいけないのは、ブランドをつくることが目的ではないということです。ブランドが大切だ、重要だと思い始めると、いつのまにかそれを目的化してしまいがちになるのだけど、あくまでブランディングは手段にすぎません。大切なのは、その先にある目的です。このことは肝に銘じておいてください。
じゃあ、その目的はなにか。
わかりやすくいえば、売り上げです。〜p108〜

これは、特に地方都市の特産品づくりなどでよく見かける問題。「ご当地ブランドを作るぞ!」と盛り上がったはいいものの、ブランディングに囚われすぎて、それが目的となってしまっている。

ブランディングができた時点で満足してしまい、流通経路や消費者のニーズなど何も考えておらず、結果売れないものとなってしまったなんてことも多々あるでしょう。

「目的と手段」。物を売るという時には、あくまで売ることが目的となります。ブランディングはその目的のための一手段でしかないことを、肝にめいじなければいけません。

ただし、水野学さんは『「売る」から、「売れる」へ。』の中で、手段としてのブランディングの重要性も説かれています。

本書を読めば、水野さんのブランディング例がたくさん載っているので、具体的にどうすればいいのかがわかるでしょう。

『「売る」から、「売れる」へ。』を読んだ感想

『「売る」から、「売れる」へ。』にはデザイナー、クリエイティブディレクターとして数多くの実績を残されている水野学さんだからこその、言葉や名言がたくさんつまった本であると感じました。その中でも、心に留めておきたい言葉や名言を備忘録的にまとめています。もちろん、これ以外にも多くの学びのある名著。

また、この本は慶應義塾大学での講義をまとめられたものなので、説明や例えが非常にわかりやすく、すらすらと頭に入ってきます。

これらの内容はデザイナーやクリエイターだけでなく、ノンデザイナーの方でも物を売ったり、店舗づくりをするためのヒントが多々見つかる、ある種実用性のある視点に満ちていました。

特に、「センスを磨く」の部分などは、いままでそういうことに無関心だった方にこそ読んでほしい内容です。

『「売る」から、「売れる」へ。』には多くの人が知っているであろう、水野学さんが手がけたデザインの実例も多数載っています。クオリティーの高い作品に触れつつ、水野さんのデザイン講義をお楽しみください。

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