憧れの地、北欧。みなさん、北欧というと何をイメージされるでしょうか。
私でいうならば、ムーミン、マリメッコ、家具などのデザイン、にしん、かもめ食堂などがぱぱぱぱっと思い浮かびます(ややフィンランドに偏りががちですが)。そしてその思い浮かんだどれもが好きなもの。
私、男ですがマリメッコが大好き。日本にはないセンスのかわいいデザインパターンは、見ているだけでうきうき。図書館バックも、マリメッコの生地で嫁さんに手作りしてもらったものを愛用しています。
漠然とですが、北欧好きという方も多いのではないでしょうか。その一番の理由は「かわいい」であるかと。
そんな北欧のかわいいデザインや絵本などが、これまたかわいいイラストの漫画で紹介された「かわいい北欧」という本をご紹介します。
「かわいい北欧」漫画でめぐる北欧のデザインや絵本
北欧のデザインやグッズ、暮らしを紹介する漫画「かわいい北欧」とは
「かわいい北欧」とはナシェさんというイラストレーターの方が描かれた、北欧を紹介する漫画。
北欧の本というと、今まで読んだものは生活様式であったり、観光名所や名物の食べ物の紹介が多かったように感じます。しかし、この「かわいい北欧」に関して言えば、デザイン系やグッズなどの紹介が多いです。
マリメッコ、リサ・ラーソン、アルヴァ・アアルト、クリナラなどの北欧の有名デザインや、トントゥ(小人の妖精人形)、ダーラナホース、となかいの敷物、ククサ(木の瘤を削って作るマグカップ)などの民芸品。そして北欧で売られている可愛らしい化粧品や石鹸、ポストカードなど紹介されているものは多岐にわたっていて、読んでいてワクワクしてきます。
そういえば、先日観たアメトーークの「キャンプたのしい芸人」でうしろシティ阿諏訪さんがこの木の瘤のカップククサを製作中であると言っていました。木の瘤というのはもの凄く固く、作るのにとても時間が要するよう。時間をたっぷりとって、楽しみながら作るのも北欧流なのかもしれませんね。
私のように北欧の「かわいい」に魅力を感じるものにとっては、生活様式の紹介よりもデザインやグッズに興味があるので、本書の構成は嬉しい!
掲載されているグッズなどは、基本的に写真ではなくナシェさんのイラストであり、そういう部分もかわいいもの好きにとってはぐっとくるかと思います。
全編フルカラーの漫画は、優しい色彩で描かれているので、読んでいるだけでも北欧の雰囲気が漂ってきました。
北欧デザインの魅力
「かわいい北欧」を読んでいると、様々な北欧デザインに触れることができます。こうやってまとめて眺めていると、北欧デザインの魅力って何なのかなとふと思いました。
特にファブリックやカップに描かれているパターンから感じるのですが、自然の中に存在する美しさをうまく引き出しているところが魅力なのではないでしょうか。
もちろん、日本の伝統美なども、その多くが自然からの美しを参考にしたものが多いです。ただ、北欧と比べて日本の伝統美というものは自然の抽象化の度合いが強いように感じます。自然の中に存在するリズムやパターンを抽象化し、図案かする。それが日本の美。もちろん、それも美しいですし好きなのですが、かわいいという観点からいうと、ちょっと固く感じる気も。
その点、北欧のデザインはわりと具体的なままでパターンとして取り入れているものが多いです。具体的といってもそのままなんじゃなくて、良さを残した大胆なデフォルメもされている。マリメッコの有名なパターン「ウニッコ」はポピーの花の形を生かしつつ、大胆なデフォルメがほどこされ、ファブリックのパターンとして年月を経ても色褪せない魅力を醸し出しています。
また北欧デザインからは森の中の景色、木々、蔦、木の実、動物などなどの息遣いがなんとなく感じられるところも魅力なのかも。日本にはない景色、特に鬱蒼とした森への憧れ。木々の匂いや静けさ。そのデザインが一つ自分の部屋にあるだけで、人工のデザインにもかかわらず、自然のリズムを取り入れられるようなところが良いのかもしれません。
かわいい北欧絵本の紹介
「かわいい北欧」には「大人も楽しめる北欧絵本の世界」というコーナーがあります。
今まで北欧のデザインに興味はあっても、絵本に意識がいったことがなかったので、このコーナーは特に楽しかった(絵本じゃないけど、ムーミンぐらいしか思い浮かばなかったし)。
有名なところでいうと「長くつ下のピッピ」はスウェーデン発の絵本だそう。絵本は読んだことないのですが昔アニメでやっていたのを覚えています。
他にも「ロッタちゃん」(実写映画化されて、奈良美智さんの描いたジャケットが印象的でした)、「おばけのラーバン」、「ゆきとトナカイのうた」なども北欧のものだそう。
紹介されていた中でも特に興味をそそられたのが、マリメッコデザイナーのサンナ・アンヌッカさんが手がけた「モミの木」「雪の女王」と、同じくマリメッコのデザイナーであるアイノ・マイヤ・メッツォラさんが手がけた「かずのえほん」、「いろのえほん」。
マリメッコ好きの方なら共感していただけると思いますが、その製品を使うだけでなく、ファブリックを眺めているだけでもうっとりするのです。マリメッコにはそういう魅力がある。そんな魅力が絵本という形で楽しめるのは考えただけでワクワク。
表紙を見ただけでも、色彩、構成ともに素晴らしく、これを読んで育った子供は素敵なセンスが身につきそう!子供って、無垢な目で見るし、見たものによって成長の仕方が変わってくるので、小さい時から質の良い絵本などに触れさせることってすごく大事だと思っています。
色彩感覚で言えばアイノ・マイヤ・メッツォラさんの「かずのえほん」、「いろのえほん」を、構成やパターンのセンスでいえばサンナ・アンヌッカさんの「モミの木」「雪の女王」がよいのかなと。この4冊はいずれ私も手に入れようと決意(結構高いいけど汗)!これだけ素敵でかわいい絵本が手元にあれば、子供に読み聞かせするだけじゃなくて、インテリアとして飾るだけでも素敵な予感がします。
今紹介した以外でも「かわいい北欧」には北欧のデザイン、絵本、グッズ、グルメなどが数多く紹介されています。
北欧のかわいいデザインに興味はあるけど、どんなものがあるんだろうという方に、最初の一冊としておすすめな本でした。