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ヒュッゲとは何かがわかる本「HYGGE」感想

「HYGGE」ヒュッゲにおすすめの本読書録

「HYGGE(ヒュッゲ)」最近耳にしだした、この不思議な言葉。みなさん聞いた事ありますか?

私が初めてこの言葉と出会ったのは、NHKの番組「世界はほしいモノにあふれてる」です。北欧デンマークの暮らしぶりとともに、このヒュッゲというワードがすごく印象に残りました。

これといった日本語には訳せなさそうな、複合的な概念。でも、なんかいい。私は、どちらかといえばのんびりと心地よい雰囲気が好きなので、まさにヒュッゲという概念はドンピシャでした。

ちょっとせかせか気味な日本人のライフスタイルとは真逆な暮らしぶり。だからこそ、こういう生き方があることを知ってほしい。そんなヒュッゲとは何かが詳しく書かれたおすすめな本「HYGGE〜365日シンプルな幸せの作り方〜」のご紹介です。

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「HYGGE」デンマークの生活。ヒュッゲに必要なものがわかる本

「HYGGE(ヒュッゲ)365日シンプルな幸せの作り方」とは

「HYGGE(ヒュッゲ)365日シンプルな幸せの作り方」はデンマークにあるハピネスリサーチ研究所CEOのマイク・ヴァイキングさんという方が書かれた本です。

デンマークには古くからヒュッゲという概念があり、それをわかりやすく紹介した本。

ヒュッゲがどういうものなかの、どういう暮らしをしているのか、何を食べ、何を感じ、何を楽しむのか。北欧諸国の同様な概念の紹介の他、何をすればヒュッゲになるのかなど、多岐にわたって紹介されています。ほとんど何もわからないままで読み始めましたが、読んでいくうちにヒュッゲの雰囲気がつかめてくるのでおすすめな本。

私は知らなかったのですが、デンマークという国は世界幸福度調査ランキング1位に何度も輝いているみたいです。幸せの国というとブータンのイメージがありますが、デンマークをはじめ北欧諸国は全体的に幸福度が高いようです(ちなみに世界の幸福度2019年はデンマークは2位。日本は58位という結果に、、、)。

「世界幸福度ランキング」2019年版が発表。日本の順位はどうなった?
前年には54位でしたが……。

ヒュッゲとは?

冒頭から何度も言っている、ヒュッゲ。「ヒュッゲとは結局なんなんだ?」っとお思いの方もいらっしゃるでしょう。

これが、なかなか説明が難しい!本書を読んだ今でも、これといった言葉で表現できないのです。幸せ、スローライフ、心地よさ、ぬくもり、安心感などそういう複合的な意味合いのものがないまぜになったのがヒュッゲかなと思います。

いや、むしろヒュッゲはヒュッゲ以外に言い表せない言葉なのでしょう。言葉や頭で考えるのではなく、心地よくゆったりとした生活の中で体得できるのがヒュッゲなのかと。すくなくともせかせかした生活の中にはヒュッゲはないようです。あえて、あえてヒュッゲを日本語で一言で訳すと「心地よい瞬間」になるのかなぁと。

生活の一瞬一瞬を楽しみ、味わう。どちからといえばゆったりとした心地よさでしょう。スピード感よりもスローな感覚。だからこそ、何をするにも丁寧に楽しむ事ができる。そういうのがヒュッゲかと。この前読んだ、禅の本にもどこか通じるものがあるなと思いました(参考→「禅に学ぶくらしの整え方」掃除嫌いを治すのに役立つ本はこれ!

本書にもヒュッゲを他の国の言葉で翻訳できないともあります(ちなみに翻訳しづらい世界のユニークな単語っていうのが載っていて、日本からは「積ん読」がエントリー。私がハマったのはイタリア語の「ガッターラ」。野良猫に人生を捧げる老婆という意味みたいです)。

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ヒュッゲに必要なもの

「ヒュッゲ」という本にはヒュッゲに必要な様々な道具やシチュエーションが紹介されています。

その中でも、一番必要なのが灯(あかり)だそう。特にキャンドルや暖炉の炎の灯がヒュッゲには欠かせない装置だそうです。デンマーク人は明るさに非常にこだわりがあるようで、どれだけ心地の良い、ヒュッゲな光を得られるかに気を配っているよう。

今年三重県立美術館でデンマークデザイン展というのを観てきましたが、そこにも様々な照明器具が展示されていました。ポール・ヘニングセンのデザインに代表されるように、電球やLEDのギラギラした光をいかにさけ心地よく柔らかい光を得るためのデザインが豊富に感じます。

デンマークという国は冬場はほとんど日の光が差さない日もあるそうなので、そういった生活環境からも明るさに対して鋭敏な感覚がや文化が出来上がっていったのでしょう。

このようにヒュッゲに必要なのはまず第一にキャンドルなどの灯のようです。他には美味しい食べ物や飲み物、暖かい環境、お気に入りの場所、お気に入りの本、素敵な映画、素敵な仲間など、いかに心地よい時間を過ごすかが肝なよう。

快適な環境にはちょっとスパイスがあってもいいかも。本書の冒頭にあるお話で著者たち雪山で山小屋に入った話があります。ハイキングのあとで疲れ切っており、暖炉の前でうとうと。周りからはホットワインをすする音のみ。

「なぁ、これ以上のヒュッゲってあるかな?」(中略)

「そうね、あるかも」ちょっとして女の子が答えました。

「外で嵐が吹き荒れてたら、もっとヒュッゲじゃない?」

みんな、その言葉にうなずきました。

外が嵐だったら、より今現在の心地よさや安心感に感謝できるという事でしょう。感謝もヒュッゲに必要な要素の一つ。

自分たちの生活にどう取り入れていくか。

「ヒュッゲ」にはこの他にも具体的な生活事例や、四季折々の暮らし方などが紹介されています。

さて、デンマークとは気候も風土も文化も違うこの日本でいったいどう取り入れていけばいいのか。

まずはシンプルに「ちょっとスピードを落とす」と「丁寧に楽しむ」を心がければヒュッゲになるんじゃないかと感じました。

たとえば1日のうち、30分でもいいからお気に入りの飲み物と本を、それだけを楽しむ時間を持つ。できれば携帯は脇にどけておいて。パートナーや家族がいる人は一緒にその時間を共有する。それだけでもヒュッゲな時間をすごせると思います。

本を読まない人もいると思いますが、お気に入りのドラマやテレビ番組を楽しむだけでもいいのかも。必要なのは、その楽しみを丁寧に味わう事。テレビを見つつ、携帯触って、日中の煩わしさを気にしてなどマルチタスクになってしまってはヒュッゲではありません。

ちょっと時間ができたら、お気に入りの空間作りもおすすめです。我が家では嫁も本書にはまり、今度自宅のどこかに小さなソファーをおいてヒュッゲスペースを作ろうと盛り上がりました。こういう楽しみそのものもヒュッゲでしょう。

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生活すべてがヒュッゲである必要はない。

忙しい

私が思うに、ヒュッゲはその一瞬一瞬を楽しむもので、ライフスタイル全般とはちょっと違うのかなと。

本書に「がんばらなくて、いいんだよ」という項目があります。そこにはデンマーク人がクリスマスをいかに大切にするかが書かれていました。クリスマスをよりよくするために気を取られ、時にストレスになることも。

ヒュッゲなクリスマスを迎えるための様々な準備は、ストレスになる事が多く、ちっともヒュッゲではありません。
これは少し矛盾しているようですが、実は筋が通っています。

「ヒュッゲ」は「ヒュッゲでない」ものとの対比の中からしか生まれてきません。これはヒュッゲという概念の本質です。
日常生活の中にあるさまざまな「ヒュッゲでない」ことをくぐり抜けた後に得られるのがヒュッゲなのです。(中略)

ヒュッゲな瞬間は、そんな世俗的な問題とは無縁でいられます。(中略)

この本のはじめのほうで、ある友人が山小屋でつぶやいた言葉を紹介しましたね。覚えていますか?
「外で嵐が吹き荒れてたら、もっとヒュッゲじゃない?」

これがヒュッゲの重要なポイントです。その場の状況と外の厳しい現実との差が大きければ大きいほど、ヒュッゲの価値は高まると言っても過言ではありません。

日常生活は、やはりヒュッゲでない事をしなければならいのはしょうがないのかもしれません。だからこそ、1日のうちの貴重なヒュッゲの瞬間が輝くのです。この点でも忙しい日常を送る日本人には、とびっきりなヒュッゲの時間が過ごせそうな気がしますね。

なぜデンマーク人は幸せなのか?

軽やか毛布

最後に本書に書かれていたデンマーク人の幸せについて。

幸福度が高い国デンマーク。ではそんなデンマークは暮らしやすい国かというと、一概にそうとも言えないようです。

湿度は高いし、日の光がほとんど差さない季節もあるし、自然環境的にはどちらかといえば過ごしづらい国のようです。ではなぜデンマーク人は幸せなのでしょうか?

本書には、デンマーク人が幸せであると感じている大きな理由に「社会保障制度」があるといいます。福祉が行き届いているので、国民の生活や将来に対するストレスが軽減されているのだとか。

デンマークは世界でも税金の高い国としても知られていますが、しかしそれが国民に還元されているからこそ、幸せにもつながるのでしょう。同じく税金が高い国といっても、日本と大きく違いますね。

こういう福祉が充実する背景にもヒュッゲがあると本書はいいます。ヒュッゲによって相互関心や、思いやり、感謝の心が育まれる事によって、それが国のあり方にも現れていくのでしょう。

正直、年々日本は暮らしづらい国になっている気がします。税金は高くなっていきますし、テレビやネットを見てもイライラしている人が多い。税金が高くなっても、今の政権が社会保障を充実させる気配は少ない。幸福度も年々下がっています。

それって忙しさのせいで、心地よさや、ゆったりと丁寧に楽しむということを忘れてしまっているからなのかもしれません。周囲のいろんなことへの感謝も忘れてやいませんか?

仕事帰り、ふと立ち止まって、秋の心地よい空気と夕暮れを楽しむ。その瞬間を楽しんでいることに感謝する。これだけでもヒュッゲな瞬間が訪れるかもしれませんよ。

読書録
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