スポンサーリンク

感想「バッドビート」疾走感のあるギャンブルとアクション小説

読書録

本好きの方なら、ジャケ買いならぬ装丁買いみたいなことって多々あると思います。

今日紹介するのも、そんな感じ。ジャケットのクライムアクション的なイラストに惹かれて手に取りました。

ゴスロリ風の少女がアメ車に乗って、その傍らには暗黒街の女帝風の方と疾走する若者達。そしてカジノの風景に金、そしてトランプ。

なんかよくわからんが、面白そうだ。

そんな直感で手に取った「バッドビート」。その感想をば記していきたいと思います。

スポンサーリンク

感想「バッドビート」疾走感のあるギャング、ギャンブルアクションエンタメ

「バッドビート」あらすじ

まずは「バッドビート」の簡単なあらすじをば。

主人公の主人公のワタルとタカトは裏社会で成り上がろうと息巻く、駆け出しの若者たち。

兄貴分の新津蓮のつかいで、アタッシュケースと品物の交換のために玄無島を訪れる。玄無島はカジノとギャンブルの再開発で、急激に活性化した島であり、二人の故郷でもある。

ワタルとタカトはこのつかいをすませるために現場へと向かうのだが、そこで襲撃にあう。しばらく気を失って、気づいたときには取引相手は殺されていた。このままでは容疑は自分たちにふりかかる。こちらも相手も裏稼業、ただではすまない。

誰が相手をやったのか?このカジノとギャンブルで欲望渦巻く玄無島で頼れるものは、裏の人間のみ。

ストリップバーの女主人ジーナ、島の網元であり顔役である敷島、天才的ギャンブラーの少女ハコたちと、騙し騙され、利用しあいながら事件の真相に迫っていくという物語。

「アウトレイジ」を観た流れで、、、

銃を持つ女性

この表紙を見た感じでも、内容がギャンブル関係、マフィアやギャング、ヤクザ関係な内容だろうなってのは想像できます。

私は普段この手の小説はあまり読まないのですが、この時はたまたまそういうのが読みたい心境になっていた。

なぜなら、その数日前に「アウトレイジ」3部作を一気に見たからです。いやぁ、いままで観てこなったけどあれだけ悪人ばかり出てくる映画も稀ですね。

「アウトレイジ」を観た流れで、普段は読まないクライムアクション系の小説もいいなと読む気になった「バッドビート」。

内容は、予想に違わず、ギャング、ヤクザ、ギャンブル、欲望、ドンパチありなエンターテイメント小説でした。

感想「バッドビート」の疾走感がいい

シティー

「バッドビート」のような小説、特にこのような裏の人間のつてをたどって、時に協力、時に裏切られなクライムアクション小説は、私的に疾走感が大事だと思います。

下手に停滞の時間(だらだらと回想シーンとか)でダレさせない。とんとんとんと場面転換、間ににドンパチを挟みつつ、小気味よく展開していくのが大事。

その点「バッドビート」はテンポもいいし疾走感もある、アクションシーンとギャンブルシーンの切り替わりもいい感じのバランスで楽しく読むことができました。

ワタルとタカトは若手のペーペー。大事なのは度胸と熱意と少しの知恵。この二人がアクション部分や駆け引き部分を担っており、百戦錬磨のクセ者達相手にぎりぎりの綱渡りを演じます。

一方で天才ギャンブラーのハコも、感情の表現こそ少ないものの、魅力的なキャラクター。これは表紙の影響が大きいかなという感想(表紙ではゴスロリですが、小説内ではハコの髪型はカツラで場面場面でかわる)。

ギャンブルって普段やらないので実感はないものの、ハコと対戦相手の心理戦なんかは、いい感じの緊迫感があって面白かったです。これもハコが、世間にあまり興味のないようなキャラクターとして描かれていたからこそ引き立った場面も多いかなと。

ワタルとタカトのクセのある大人達とのやり取り、そしてハコのギャンブルシーンの移り変わりに疾走感があり、それが玄無島のうさんくさい、欲望にまみれた雰囲気と相まって、面白いエンタメに仕上がっているという感想を持ちました。

特に目新しさというのはないものの、こういう小説はこういう展開が理想的で面白い!って期待どうりに進んで行く感じ。

まわりのクセの強い大人達もいい味出してます。特にストリップバーのオーナーであり、島の女帝ジーナがいい。老齢の女帝、長いキセル。ベタっちゃぁ、ベタベタなキャラクターですが、やはりこういう舞台背景にはこういうベタなキャラクターがいるだけでぐっとしまる。逆に変に凝ったキャラクターよりも、この設定にピタッとおさまって欲しいキャラクターが「バッドビート」には過不足なく配置されているといった感想です。網元で島の顔役の敷島も、ヤクザ映画なんかで出てきそうなキャラクター。やはり魅力的でベタだけど魅力的なキャラクター。

スポンサーリンク

映画化を想定して描かれているような印象も

「バッドビート」は展開や収まり方といい、なんだか映画化を視野にいれて構成されているような印象もうけました。

きっと実写映画化されたら、疾走感やトントンとした展開が小気味良い、いいエンタメ映画になりそうだなと。

そうなるとすると配役は誰だろう。年齢というくくりを一旦取っ払って、思い浮かぶのは、ハコは栗山千明さん、ジーナは夏木マリさん、敷島は麿赤兒さんかな(KILL BILL的な配役ですね)。主人公のワタルとタカトは思い浮かばん。あえて言うとタカトは桐谷健太さんかな(これは「アウトレイジ ビヨンド」の印象から)?

アニメで映画化するとしたら、「マインドゲーム」や「夜は短し歩けよ乙女」の湯浅政明監督が合いそう。

そういう、映画化したらどんな人が演じるだろう的な目線で見るとより面白い「バッドビート」でした。

読書録
スポンサーリンク
ocoをフォローする
寝る前読書のすすめ!リラックスして熟睡生活