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当事者ならではの分析力!髭男爵山田ルイ53世の「一発屋芸人列伝」

山田ルイ53世の一発屋芸人列伝 読書録

最近読んだ本の紹介をば。

毎年、流行語大賞というものが選定されています。

2018年度で言えば、様々な候補の中から選ばれたのはオリンピックカーリング女子たちの「そだねー」。

そんな流行語にノミネートされるものの中に、必ずと言っていいほどその年に流行ったギャグがあります。

これまた2018年でいえば「ひょっこりはん」。ご本人も2018年に大ブレークされましたね。

毎年毎年かならず誰かのギャグがノミネートされており、大体がその年に大ブレークした芸人さんのものでもあります。

しかし、一方でそれらの芸人さんの中にはテレビで売れ続けることができなかった方々も。一時は毎日といっていいほどテレビで見ていたのに今は。。。

そういう芸人さんたちは総じて「一発屋」と呼ばれています。いつ頃からできた言葉かわかりませんが、毎年一発屋と呼ばれる芸人さんは増え続けている厳しい芸能界。

本日紹介する本はご本人も「ルネッサーンス!」のギャグで一世風靡した髭男爵の山田ルイ53世さん著「一発屋芸人列伝」。

世に言われる一発屋と呼ばれる芸人さんはいかにして売れ、そしてテレビから消えていったのか。何を思い、今何をしているのか。

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髭男爵の山田ルイ53世さんが記す一発屋芸人たちの現状と再生

著者は山田ルイ53世さん

ある年の忘年会では、高確率で「ルネッサーンス!」の掛け声が響いていたと思います。

山田ルイ53世さんと樋口くんからなる髭男爵の一世を風靡した名ギャグ。

今でもたまに酒の席などで使っている人いますね。それぐらい使いやすいし、馴染みのあるギャグ。

本書では山田ルイ53世さん自身、一気にテレビで売れ、そしてテレビに出ることがなくなったことを肌身に感じているからこそ、取材している一発屋芸人さんたちへの観察眼は鋭いです。

最近ではご自身の自伝「ヒキコモリ漂流記」などが話題となり、文筆業などでも活躍されていますね。

「一発屋芸人列伝」で取り上げられている芸人さん

ワインを乾杯

本書「一発屋芸人列伝」で取り上げられている芸人さんたち。

レイザーラモンHGさん、コウメ太夫さん、テツandトモさん、ジョイマンさん、ムーディー勝山さん、天津・木村さん、波田陽区さん、ハローケイスケさん、とにかく明るい安村さん、キンタローさん、そして髭男爵さんです。

(申し訳ないことにハローケイスケさんは存じあげないのですが)皆さんそれぞれの名前を見ただけでギャグのフレーズがぱっと思い浮かぶ方ばかり。

今よりももう少しだけネタ番組(エンタやレッドカーペット、オンバトなど)が華やかなりし時代に笑いを彩った芸人さんたちです。

ほとんどテレビで拝見しない方もいれば、一周回った感じでテレビに出だした芸人さんたちもいますね(レイザーラモンHGさんとか最近普通の格好で見ますし)。

皆さん、一発屋芸人というやや不名誉な呼ばれ方をされながらも、かつての栄光に甘んじず新たな道を一歩づつ着実に踏みしめているようです。山田ルイ53世さんは同じ芸人として皆さんにインタビュー、そしてその芸人さんたちを巧みに分析。

そんな「一発屋芸人列伝」の中でも気になった方を何人か記してみたいと思います。

レイザーラモンHGさんの底力

ハードゲイという謎のキャラで登場し、「フォー」の掛け声と共にお茶の間を笑いと気まずい空気に包んだHGこと住谷さん。

本書によるとあのスタイルに行き着くまでにも試行錯誤はありながら、結構計画的に勧められたものだそう(新宿2丁目や大阪の堂島、はてはおすぎとピーコ、ピーターさんのもとまで仁義を通してる!)。

HGさん華やかなりし頃には夢にも思いませんでしたが、まさかレイザーラモンRGさんの方が粘り強く売れているとは。

当時はHGさんに何とか寄せていって、テレビに出ようという感じだったのに(RGさんもレザーにサングラスファッションの時もありました)今ではあるあるネタで引っ張りだこ。

またHGさんの奥さんが自身が立ち上げたビジネスで大成功。その影響もあってテレビでも見かけるようになりました。

元来漫才も面白いレイザーラモン。その本芸の実力、RGさんの根強いテレビ出演、奥さんのビジネス成功ネタなどがあいまって、最近またHGさんを見かける機会が増えたように思います。

相方、奥さんに恵まれた強運。そしてもちろんHGさん自身の底力。今後のレイザーラモンますます楽しみです。

ジョイマンさんの哀愁

私の友人でジョイマン高木さんのツイートをリツイートすることを心がけている人がいます。

「応援したい」のだそう。そう思わせる何かがありますね。

一時話題になった、サイン会に誰もこないツイート。結構テレビにもでてたのに誰もこない。悲しい写真。悲壮感。哀愁。

しかし、逆にそれが面白い。ネタになる。芸人さんというのはそういうものを笑いに転じるパワーがあります。

ネタのスタイルを変えず、「ななななー」のゆるーいラップをやり続けているのも立派。芸人魂感じます。

本書にありましたが、ある大物歌手と同級生で、ジョイマン結成にも大きく関わっているよう(大物歌手が誰だかは本に載っています)。

それが縁での番組露出などもあるそう。人脈って誰がどうつながって、どう化けるかわかりませ。

コウメ太夫さんの狂気

「一発屋芸人列伝」を読む限り、本書で取り上げられている芸人さんの中で一番変わり者という印象。

たまにコウメ太夫さんがツイッターでやっている「まいにちチクショー」が私のタイムラインにも流れてきますが、大抵がよくわからない世界観。

ストレートに笑えるというものではないですが、妙な可笑しみを持った芸人さんでもありますね。

テレビ番組などで芸を披露した時、確実に滑ってはいるが笑いが起きないということは少ない。その余韻。あたりを包み込むコウメ太夫空気感。異次元。

ネタでは笑いが起きずとも、その余韻が妙な笑いを誘発する遅効性の芸。どなたかツッコミの人がいないと効力が弱まるタイプかもしれませんが、それでも唯一無二かと。

余談ですが、私が今までテレビで見た中で一番滑っていたのは月亭八光さん。十年くらい前の、たしか「オールザッツ漫才(関西の年末特番)」でだったと思います。落語というより漫談な感じでしたがだだすべり。客席がウンともすんとも言えない、冷え切った空気、半ば放送事故。

そのあとの出番がたむけんさん。舞台にでるなり「八光しね!この空気どないしてくれんねん!」とぶちまけていました(これもう一回見たい!)。

今では関西のテレビなどで活躍している月亭八光さん。トークも面白いし、好きな芸人さんです。余談でした。

山田ルイ53世さんが一人一人にツッコミと分析を交えながらの展開

本書ではこれらの一発屋芸人さんたちに山田ルイ53世さんがインタビュー。

一人一人に筆でツッコミと考察を加えながら、彼らのエピソードと現状を描き出しています。

文章に固さがないので、ともすれば沈みがちになりそうなエピソードなどもわりとライトな感じで読むことができました。

まったくの部外者からの客観というわけでなく、山田ルイ53世さんご自身の経験も交えているので、実感の伴った文章に仕上がっています。

また、同じ芸人仲間でもあるので、登場する芸人さんたちのテレビで見られない普段の姿からの分析も豊富。お笑い評論家などではなく、現役芸人さんの目線なので、愛情とスパイスの度合いがいい感じです。

「あの芸人最近見なくなったな。やめたのかな?」とか思う人もいるでしょう。しかし、一発屋とよばれる芸人さんたちは今も営業や新天地など新たな道で活躍し続けているのです。

そんな芸人さんたちの試行錯誤に勇気付けられたり「こっちも頑張ろう!」って気になるシーンも色々ありました。

ジョイマンさんの項で、どこかの誰かの「ジョイマン消えた?」的なツイートに「ここにいるよ」と返信するということをやっているというものがありました。

その返信が欲しくてわざと「ジョイマン消えた?」的ツイートをする人が増えたそうです。ツイッターなどテレビ以外でも情報発信の方法やつながり方様々です。

ちなみに、この前ツイッターで「一発屋芸人列伝」読了しましたとつぶやいたところ、山田ルイ53世さんご本人にリツイートしていただきました。ありがとうございます!

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