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言葉の空気感に浸り安らぎを楽しむ。「ポケットに名言を」

空気感イメージ 寝る前読書におすすめ本10選

名言集は多々あります。
日頃の様々な諸問題にぶつかった時、どう乗り越えるべきか。その乗り越え方の指標みたいなものを名言が担う時があります。

たったひとつの名言で目の前の霧が晴れた、新たな視点、世界が広がったなんてことも一度や二度あるはずです。
さて、そんな人生の指標となるべき名言を載せた本は数あれど、この「ポケットに名言を」は一味違います。

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寺山修司の美学「ポケットに名言を」オススメする理由

寺山修司的名言?名ゼリフ?

作者は劇作家の寺山修司さん。アングラ演劇などの第一人者で「天井桟敷」など実験的な試みを多数されています。
日本の文化の新たな面を築いた人でもありの歴史にその名を残しています。

この「ポケットに名言を」は寺山修司さんが選んだ数多くの名言を収録したものですが、実はどちらかというと名ゼリフ的なものの方が多いです。

名言も空気感重視

ひとつひとつ、格好いい、突き刺さるような名言(名ゼリフ)が載っていますが、いわゆる名言集にあるような実用向き、人生に役立つものとはちょっと違う趣のものが多いです。

どちらかと言えばその場の空気感にバシッとヒットする「おぉ、決まった!」とその場では思ても、良く考えると特に内容はなかった的なものが結構収録されています。

  • わたしの人生をわたしはコーヒー・スプーンで測ってきた。〜T・Sエリオット「ブルフロック」〜
  • 人生は闘争にして、闘争は短刀を意味す。〜キプリング「フィッシャーの水夫宿の歌」〜
  • 婦人たちよ、これから地獄めぐりをするのだ。ドレスのすそをからげなさい。〜アラン・ギンズバーグ「吠える」〜
  • 必要はもっとも確実なる理想である。〜石川啄木「時代閉塞の現状」〜
  • 感傷とは、シニシズムの銀行定休日にすぎない。〜オスカー・ワイルド「獄中記」〜
  • 余の髭に気をつけてくれ。首きり役。余は首はきられることにはなっておるが髭は切られることにはなっておらんで。〜1535年、トマス・モア卿〜

これら、一見おぉ、ってなりますがよくよく考えるとわかったようなわからないような、名言なのだろうかと首をひねるものもあります。

おそらく、実用と言うよりも寺山修司さんの美学が反映された名言がおおいのかも。だからこそ、スタイル重視な言葉も。

若干その場の空気感重視的なものが多いですが逆にそれが良いのです。

寝る前読書に寺山修司の名言がおすすめな理由

寺山修司的世界観に浸る名言

世界観に浸る。

名言というものは心を奮いたたせ、時に人を勇気づけ、新たな視点、世界を開いてくれる効果があります。

一般的な名言集にはそういった、人生にとても役立つ、気持ちを高ぶらせてくれるものが沢山収録されています。

そういうのを読んだ日なんかは
「なんて良い言葉なんだ!確かにそうだ、もっともだ。これぞ自分の求めていた方向性だ!!!」
となることもあるでしょう。

ただ、寝る前の読書に心を高ぶるのは如何なものか。眠れなくなっちゃいやしませんか?
そういう名言集はしっかり読書の時間に読むとして、寝る前読書には「ポケットに名言を」に収録されているような空気感重視の、なんか世界観に浸れるようなものが良いのではと考えます。

しかもその世界観がなんだかよくわからないけどいい、寺山修司的な趣味に彩られた名言。

実用とはちょっと違うけど、なんとなく「良いなぁ〜」とその世界に浸れる名言。その世界に浸っている時間が心地よく、どんどんのんびりした気分になっていける。

そのなんとなくこそが寝る前読書で「ポケットに名言を」をオススメする理由なのです。

色んな方向性を楽しむ

わたしがこの本を読む時は、基本的に適当にページを開きます。そして、そこに書かれてある、いつの時代かの、どこかの誰かが放った、なんとなく「良いなぁ〜」と思える名言世界に浸るように読みます。

この本で勇気づけてもらったり、悩みを解決しようというスタンスではなく、あくまでとっぷり寺山修司の美学に貫かれた世界観に浸ることを楽しむ、そんな楽しみ方です。基本的になんだかかっこいい言葉に溢れているので、イマジネーションが膨らみます(人生に大切なものを気づかせてくれる名言の宝庫「アルケミスト」)。

そんな中でも刺さる名言もある

名言に感動する!

基本空気感に浸るのを楽しみますが、なかなか私の心にビシッと刺さる名言も幾つかあります。

  • 憂鬱は凪いだ熱情に他ならない。〜アンドレ・ジイド「地上の糧」〜
  • もっとも大きな快楽は、他人を楽しませることである。〜ラ・ブリュイエール「人さまざま」〜
  • 希望と怖れとは切り離せない。希望のない恐れもなければ、恐れのない希望もない。〜ラ・ロシュフコォ伯爵「道徳的反省」〜
  • 「えっ、文学的才能がないといわれるのか。若いのに思い上がった人だね君は!」〜リール・アダン「二人山師」〜
  • 彼は自分自身になまける権利を与えるためには、その白紙の原稿紙の上に、蠅が一匹とまるだけで十分だった。そうすると彼は書くのをやめた。蠅の邪魔をしてはいけない、と思って〜ジュール・ルナアル「博物誌」〜

この辺りが、かっこ良さ、空気感とともに私の心に(よくわからないけど)ぐさっと刺さってる名言です。

こんな人におすすめ

  • かっこいいセリフを覚えたい
  • 色んな世界観に浸りたい人
  • 寝る前にちょっとした名言集を読むのが好きな人
  • 歴史が好きな人
  • 自分にない世界観を仕入れたい人

私の持っている角川文庫版の表紙の裏に

しかつめらしく覚えたり、読むのではなく、Tシャツでも着るようにもっとも気軽に名言を自分のものにしよう!思い出にすぎない言葉が、ときには世界全部の重さと釣り合うことがあるのだから。」

とあります。
ほんと、気軽な気持ちで名言に親しみ、少し新しい価値観をしいれて良い眠りについてもらえればと思います。

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