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「サザエさん」原作はちょっとブラック。でも人情に和まされる

寝る前読書におすすめ本10選

日本の国民的アニメといえば?

そう、サザエさんです。

毎週日曜日の顔、日本の良き時代、懐かしい家族の形を今に伝える貴重な番組。
様々に時代が移り変わろうと、決して変わらないライフスタイルに視聴者は安心感を覚えるのかもしれません。

さて、そんなサザエさんの原作の漫画。

これを寝る前の読書に推したいと思います。

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社会風刺にブラックネタも。原作「サザエさん」のおすすめポイント

以外と知らない、原作の「サザエさん」

テレビのサザエさんを見たことがあるという人は、日本国民の過半数を占めるのではないでしょうか。
しかし、原作の方はというと、読んだことがない人が多いのかもしれません。

ある程度の年配の人で、昔朝日新聞をとっていたという人は毎朝馴染みがあったかもしれませんが、それ以外の人はなかなか目にする機会はまれかと思います。
私の友人たちに聞いても、原作を読んだことがないという人が大半でした。

そんな意外と知られていない原作のサザエさんは四コマ漫画であり、なかなか社会風刺がきいた作品です。

サザエさん、アニメと原作の大きな違いは社会風刺

昭和のラジオレトロイメージ。

アニメと原作の大きな違いの一つに、社会風刺をテーマにしたものが多いというのが挙げられます。
アニメの方は昭和の高度成長期のある時点でずっと固定されていますが、原作の方は戦後すぐから連載終了時までの時代の移り変わりを描いてており、社会風刺をテーマにしたネタも多いです。

第1巻の頃なんかは終戦直後で、まだ配給があったり満州から帰国してくる人の話などもあります。

そもそも、最初サザエさん一家(磯野家)は九州にいます。マスオさんと結婚もしておらず、戦後をたくましく生き抜く姿が描かれています。

その後東京へ。マスオさんと結婚し、タラちゃんも産まれ日本の成長や社会の変化とともに原作のサザエさん一家のライフスタイルがどんどん変わっていきます。
(漫画では和風のちゃぶ台を囲むイメージが強いですが、原作では洋風の椅子生活なんかもでてきます。この辺も社会風刺が感じられます。)

アニメと原作ではキャラクターの個性が若干違う

また、アニメ版ではそれぞれのキャラクターの個性や性格がかなり固定されており、皆基本いい人ばかりですが、原作はそれが若干違います。

  • 波平さんは連載当初は厳粛たる父の姿でしたが、しだいにダメ親父の風味も加えられてきます。
  • フネさんは基本いいお母さんですが、ちょくちょく夫婦喧嘩のシーンもあります。
  • マスオさんはかなり神経質な感じもあり、ちょくちょく精神安定剤を服用するシーンがあります(当時は普通に薬局で買えたのでしょうか?)。
  • ワカメちゃんはもう少しやんちゃな感じで、アニメほど良い子といった感じではありません。
  • タラちゃんももアニメよりわんぱくな感じで、聞き分けの良い手のかからない子といった様子ではありません。

私の印象ではサザエさんとカツオくんはアニメと原作両方ともに差がないような感じがしますが、それ以外のキャラクターに関しては原作とアニメで個性が違うのも見所。

たまにはアッと驚くようなブラックな内容も

以外とブラックなサザエさん

原作のサザエさんはシニカルであり時にブラックな風味も多々あります。
社会を風刺した漫画とはいえよくもまぁ日本を代表する朝日新聞の朝刊で、こんなブラックな内容の作品を出せたなぁというものも。

通常のサザエさん原作シリーズである文庫版には収録されていませんが「ヒロポン」というぶっ飛んだ作品があります。
お隣の伊佐坂先生のお宅で小さな子を預かるのですが、その子たちがうっかりヒロポンを摂取して楽しい気持ちになるという話(現代では絶対にできないブラックなネタ)。

ちなみにヒロポンというのは今で言う所の覚せい剤。終戦当時はまだ合法で薬局でも売られていたのだそう。

いかに当時は合法とはいえ、現代の倫理、道徳観ではかなりブラックなネタですね。
(この話は「サザエさんうちあけ話・似たもの一家」という本に収録されています。私が読んだのはかなり古い版だったので、もしかすると「ヒロポン」の回はもう収録されていないのかも。。。)

現在と当時の時代背景や道徳観とのギャップもかなりあり、そのへんが楽しめるのも原作の面白さかなと思います(参考:サザエさんの初期アニメが想像を超えたブラックユーモアだった件)。

基本は和み系。原作サザエさんが寝る前読書におすすめな理由

基本は和み系の原作サザエさん

アニメ版に比べて、ブラックな部分も多い原作のサザエさん。
しかし、基本的には毎日の生活を一生懸命、明るく生きる磯野家の姿に和まされます。

戦後の復興期は食べ物を手に入れるにもなかなか大変な状況。
そこから徐々に景気がよくなり、各家庭にガスストーブや電気洗濯機、テレビなどが導入されていく様子が原作では描かれています。

今では当たり前のものでも、その当時の人がそれがどれだけありがたい気持ちであったかなど、今ではうかがい知れぬ生活がわかります。

また、パソコンやネット、スマホが当たり前の時代だからこそ、原作のサザエさんに描かれている、そういうものが一切なかったころのライフスタイルを見ることで、自分の今の生活をちょっと見つめ直す機会にもなるのではないでしょうか。

家族愛やご近所付き合い、人と人とのふれあいのようなものがサザエさんの四コマから溢れてきて、懐かしいあったかい気持ちになって和みます。

また、基本ギャグ漫画であり、どの四コマも面白いオチがつきます。腹を抱えて笑う類ではなく、可笑しみのある和み系の面白さ。

寅さんや釣りバカ日誌などの映画にも通じる「バカなことやってらぁ!」ってなほのぼのした和みの笑いです。

原作版サザエさんに和まされて、すこしくすっと笑って、ゆったりした気持ちで眠りにつくのいいものです。

四コマ漫画は寝る前に丁度いい

また、原作のサザエさんが四コマ漫画なのも寝る前におすすめな理由です。

四コマ漫画は一つの作品を読み終わるまで数十秒もかかりません。
どんどん、自分のペースで読み進められ、どのタイミングで眠たくなってもすっと読むのをやめられるので寝る前にちょっと読むのに丁度いい。

また、原作を読んだことがない人でもアニメのサザエさんには親しんでいる人が多いので、すんなり四コマの世界にも馴染めるかと思います(【関連記事】:毎日が無礼講。細かい人情も含む四コマギャグ漫画「かりあげクン」)。

こんな人におすすめします

  • サザエさんが好きな人
  • 昭和の生活に憧れがある人
  • 人と人との温かみや和みが好きな人
  • 情報化社会に若干疲れ気味な人
  • いつでも読むのをやめられる本を求める人

顔を突き合わせてのコミュニケーションをとらなくてもなんとかなる時代。
スマホやネットでのつながりも重要ですが、サザエさんで描かれているようなアナログなつながりも時としては大事なのです。

ご近所で買い物をし、ご近所の職人さんに仕事を頼み、ご近所さんと頼み頼まれの生活を送る。
現代から見ると、原作のサザエさんで描かれている世界はもはやファンタジーなのかもしれません。

しかし、そういう人のつながりのよさ、温かみを原作のサザエさんから感じるのもおすすめ。自分のライフスタイルも少し見直せるかもしれません。

【関連記事】:町内のクリスマス会に見る、普通の可笑し味「ちびまる子ちゃん」

ある意味新刊!「おたからサザエさん」

ちなみに原作のサザエさんは今までコミックスなどに未収録の作品というものが800作ほどあるようです。
東京都の世田谷にある長谷川町子美術館などにいけば見れるらしいのですが、遠方の人はなかなか行けぬもの。

その未収録の作品のうち、600点あまりが2018年の3月20日に「おたからサザエさん」として発行されました。

私もさっそく1巻を買ったのですが、今まで見たことのない作品ばかりなのでかなり胸が躍りました(ある意味、今まで味わえなかったサザエさんの新刊なわけですから)。

今まで文庫などに収録されなかったのは連載当時の社会風刺や時事ネタが強すぎて、読者に伝わらないだろうという理由からだったそうです。

たしかに、読んでいても元ネタがなんなのかわからないものが多数あり未収録になったのもうなずけます。
しかし、巻末に解説文がのっているので当時の社会風刺や時事ネタ、事件などを知らなくても理解できるでしょう。

私自身通常のサザエさんを何度も読み返していますし、何度読んでも面白いのですが、それでもやはり新しい話が読める、新刊発行というのはありがたいかぎりです。

私と同じように今までの原作サザエさんの文庫本を何度も読み直しているファンの方にも、まさに新刊「おたからサザエさん」を強くおすすめします!

【関連記事】:サザエさんの初期アニメが想像を超えたブラックユーモアだった件