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「ROMA」感想。人生の悲喜こもごもと美しさ

海岸、ビーチ おすすめ映画

時には映画の話でも。

最近Netflixオリジナル映画をよく観ています。以前観た時には、自分的にハズレな作品が多かったのですが、最近は結構面白いものが多い。

「バード・ボックス」や「バスターのバラード」など、あまり知られていないものの、その辺で大々的に公開される映画にはない、挑戦的なものを感じますね。

【参考】:【考察】「バード・ボックス」あれの正体は何なのか?
【参考】:【感想】「バスターのバラード」コーエン兄弟の短編ブラックユーモア

今回見たのもNetflixオリジナル映画の「ROMA」。アカデミー賞の様々な部門を受賞して話題にもなった作品。

これは、かなり、んー、、、何て言っていいのやら。

簡単には表現できない妙味を含んだ「ROMA」の感想をば記していきます。

※ネタバレ含みます

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「ROMA」感想とその美しさ

アカデミー賞受賞映画「ROMA」のあらすじ

メキシコのイメージ

Netflixオリジナル映画「ROMA」。第91回アカデミー賞でも監督賞をはじめ、数々の賞に選ばれています。

まずは「ROMA」の簡単なあらすじ。

舞台は1970年代の政情不安定なメキシコ。主人公で住み込み家政婦をしているクレオとその雇い主ソフィアと夫のアントニオ、そしてその家族の日常と関係性を描いたもの。

雇い主の家庭環境で言えば、アントニオは家族を残して愛人を作り家によりつかない、そういう家庭環境。

クレオの方はといえば、彼氏ともいえないような関係であるアデラの子供を妊娠してしまいます。アデラに妊娠をつげると、クレオの前からいなくなってしまう。お腹も大きくなってきたきたので、アデラの身元を突き止めて会いに行くが、二度と来るなと言う。

一方でソフィアの家族は荒れていく。戻らないアントニオ、次第に父親の浮気に気づいていく子供たち。

ある日、ソフィアの母とクレオはベビーベッドを買いに行くことに。時同じくして、家具店の通りで暴動が。家具内でも銃撃戦が起こり、人が死ぬ自体に。何人かの暴徒が店内に流れ込んできて、客に銃をつきつけます。

クレオに銃を突きつけたのは偶然にもアデラでした。見つめあう二人、そのまま何もなくアデラは退散していきます。するとクレオが破水。急いで病院へと向かうのですが。。。

監督はアルフォンソ・キュアロン氏。これまでに「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」や「ゼロ・グラビティ」などの傑作を撮られています。

説明のし難いストーリー

今あらすじを書いてみましたが、伝わったかどうか。。。何とも説明が難しいんですよ。

これといったストーリーらしきものがない。もちろん、映画だからストーリーはあるんですが、どの方向に進んで行っているかが皆目わからない。

一般的な映画なら、どうなっていきたいか、何を解決したいかなど、その目的みたいなのが何となくわかります。しかし「ROMA」に関してはそれが見えてこない(少なくとも私に関しては)。

あるメキシコの一家とその家政婦クレアの日常、そこに巻き起こる悲喜こもごもを淡々と描いていっているだけ。

最初はかなり面食らいましが、次第にその淡々とした作風に引き込まれていきます。

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Netflix映画「ROMA」の感想

前半は正直どうなるのかわからず、退屈だという印象の方が強かったです。

しかし、後半になるにつれて、特にクレアの妊娠がわかりアデラから拒絶されたあたりから、この淡々とした作風が効きだしました。

正直楽しい映画ではない、辛いシーンが多い。特にクレアの死産などは、観ているこちらとしても「救いはないのか?」と思ってしまうぐらい胸がくるしくなる。

しかし、それすらも淡々と描き出している。クレアが悲しみに沈み、亡くなった赤ちゃんが処置されていく一方で、病院内では大勢の子供が生まれていく。その対比。

また、ソフィアの母がレストランで子供たちに父親はもう帰ってこないことを伝えるシーン。家族が悲しみに沈む中でも、ウェイトレスと淡々と食器を片付けていく。次のシーン、うなだれながら外で過ごす家族の背後には結婚式が行われている。

楽しい内容ではないし、救いのない部分も多いが、しかしそれも含めて人生を描いているなという感想を持ちました。人生は決して華やかで、鮮やかなだけではない。しかし、良いことも悪いことも日常には混在しているし、日々は過ぎ去っていく。人生は悲喜こもごも、そういうものなのだと。

瞑想的。バランス

ある意味、ひどく不親切な映画にも感じました。しかし、逆にそれが良い。説明的な要素が少なく、それに対して観客は色々考えざるをえない。観客自身がクレアやソフィアの家族の人生を観ながら、そこに意味を投影していく。通常の映画以上に、観る人ぞれぞれに「ROMA」に抱く感想は違うでしょう。面白いとか面白くないとかそういうのを超えた、人生への価値観みたいなもの。

映画を最後まで見終えても、解答のようなものは用意されていません。見終えて「良かった」と思うか「何だかさっぱりわからなかった」と思うかなどそれも人それぞれです(少なくとも、私は良かったと思いました)。

ラストの方のシーン。ソフィアの子供たちがビーチで溺れかけ、クレアが助けに行くシーン。長間まわしの場面。波をかき分けながら、必死に子供を探すクレア。波の間に見つかる子供。息も絶え絶えに、無事に救出。

みんな助かって安堵したその瞬間にこぼした「赤ちゃんに生まれて欲しくなかった」、「小さいのにかわいそう」というクレアの心情の吐露。

生きるか死ぬかを経験した瞬間、自分を締め付けていたタガが外れたのでしょう。その苦しみを吐露した瞬間に、クレアは救われたのだと思います。そして、そんなクレアを、家政婦と雇い主という関係ながら、心から労ってくれるソフィア家族。そこには人間としての交流がありました。

少なくとも人生の難題、しかも辛い結果だったことだけれども、クレアは最後に心情だけでも救われた。それを観れただけでも「良かった」という強い感情を抱きました。

白黒の景色、シーンが美しい「ROMA」

白黒、家族

最後の波間のシーンもそうですが「ROMA」はとにかく美しいシーンが多い。波間のシーンなど、生きるか死ぬかの場面なのに、景色の美しさがものすごく印象的。

構図が独特。わりと引いた感じで撮っていて、背景の中に登場人物が溶け込むような感じ。だからこそ、余計に淡々とした印象を受けたような気がします。

うまく言えないのですが、今まで観てきた映画の中でもトップクラスに「空間」を感じられた作品でした。

登場人物たちの暮らしている世界が広々と描かれている。その世界は綺麗なものも汚いものも一緒くたに写っているが、それも含めて美しい。

白黒映画なので、色がない分だけ情報が整理され、空間の美しさをダイレクトに味わえた映画でもありました。

Netflixユーザー以外にも。イオンシネマで「ROMA」劇場公開

あるメキシコに住む家族の生活から見える、悲喜こもごもの人生とその美しさ。淡々としているからこそ、色々と考えさせてくれる映画です。

また、「ROMA」は非常に映像(シーン)が美しいので、綺麗な画面で観てほしい作品でもあります。

本来Netflixに契約していないと観ることのできない映画ですが、3月から全国のイオンシネマで劇場公開されるそう。

Netflixオリジナル映画『ROMA/ローマ』が全国のイオンシネマで劇場公開
アルフォンソ・キュアロン監督の映画『ROMA/ローマ』の劇場公開が発表された。 Netflixオリジナル映画の『ROMA/ローマ』は、『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロンが監督、脚本、撮影を手掛けた最新作。監督自身の幼少期の体験も交え、1970年代のメキシコ・ローマ地区を舞台に、家政婦として働く若い女性クレ

派手なシーンなどない映画ではありますが、その美しい空間の広がりは是非大画面で見てもらいもの。お近くにイオンシネマがある方は、テレビの画面よりも是非大型スクリーンで観てほしい映画です。その方が絶対に「ROMA」の美しさが感じられるから。

映像の美しさとともに、人生の意味を考える時間。普段の映画鑑賞とは、また一味違った映画の素晴らしさを味わってはいかがですか。

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