この正月休みに、「スターウォーズep9〜スカイウォーカーの夜明け〜」を観に行ってきました。
伝説的シリーズの最終作品。そのポテンシャルを最大限味わうべく映画館へ。
スターウォーズの最終作で感じた、私なりの感想をレビュー(SWということもあり、自分の中ではかなりハードルを高めたうえでの感想も)。
※ネタバレ含みますので注意!
「スターウォーズep9〜スカイウォーカーの夜明け〜」の感想を忌憚なく語る(ネタバレあり)
唐突な皇帝パルパティーンの復活
まだ観ていない人には、初っ端からネタバレになりますが、ep9であの皇帝パルパティーンが復活します。
皇帝パルパティーンといえば、ep1〜ep6まで暗躍してきた最大の敵(1,2などはまだその存在を匂わせる程度ですが)。
すべてはパルパティーンから始まる(元凶) pic.twitter.com/DSkjRzbx4c
— ユウ✩.*˚凛月×真緒×零はいいぞ (@yukimura0812) January 12, 2020
ダースモールやダースベイダーなどを従え、一度は銀河を支配した大物。ep6で割とあっけなく、ルークスカイウォーカーにやっつけられてしまいますが、地味な見かけとは裏腹に実はスターウォーズの中で一番強いんじゃないかというキャラクター。
ep9の冒頭から、その皇帝パルパティーンの復活が告げられ、観ている方としても「おっ!そうきたか」という嬉しい驚きがありました。ep7でハン・ソロやチューイ、ルークを観た瞬間と同じ嬉しさ(が、「過去の有名キャラクターをどう使うんだ」というハードルも上がり、、、)。
嬉しい一方で、なんとなくそういう気もしていたので(スノークの外見などから)、ちょっと過去作に頼りすぎかなって気もしないでも。
レイはパルパティーンの孫という微妙な伏線回収
ep9の物語が進むにつれて、主人公のレイは皇帝パルパティーンの孫という事実がわかります。
フォースを使いこなせたりすることから、これまでのシリーズに出てきたジェダイの誰かの子供、あるいは子孫だろうなと思っていましたが、、、
そうきたか!
たしかに強力なフォースを持っているという伏線回収にはなっていますね。ですが、パルパティーンに子供がいて、なおかつ親の意向に逆らって飛び出していったという設定はなんとも。
日本のヤクザ映画のようですね。ヤクザにはなりたくないと、親分の子供は駆け落ちしていく。しかし、親分はそれをゆるさない。せめて孫だけでも自分の跡を継がせようとする、そんな展開。
息子「俺は父さんの跡を継いで、皇帝になんかなりたくない!」
パルパティーン「まて、せがれ!お前はこの銀河を支配したくないのか?」
息子「銀河の支配なんてしたくない!僕は平凡な家庭を築きたいんだ!わぁ〜〜〜(家出)」
てな光景を思いかべると、なんだか微笑ましいような威厳がないような。ep7の時点でこの設定があったのかどうなのかわかりませんが、一応理にかなった伏線回収ではありました。
ローズの出番が少なめで良かった
ep9では、ep8で酷評を受けたローズの出番は少なくなっています。
正直ep8をあまり好きではないのですが、その大半がこのローズというキャラクターのせい。
行動の意味がよくわからず、ep8のラストあたりでフィンの自爆を助けようとしますが、そのせいでレジスタンス側が大ピンチに。
ツイッターなどでは1ローズ=100ジャージャービンクスという意見も。
SW EP8 見てきた。シリーズで一番ギャグが面白かったな。ストーリーはマジゴミカス。100ジャージャ=1ローズと言われてたけど, ストーリを加味すると200ジャージャー=1ローズ+1フィンって印象。
— toshi (@pepper_mintea) January 3, 2018
至極個人的な感想ですが、ローズの出番が少なくなって本当に良かった(ep2におけるジャージャービンクスの出番の少なさと既視感も…)。
スターウォーズの艦隊はなぜあんなにもろいのか
スターウォーズep9のストーリーとして、皇帝パルパティーンは、大艦隊を率いて再度銀河を我が物にしようとしています。
一つの船でさえ、星を破壊できるぐらいの威力を持っているのに、それが大艦隊として揃っている。一方レジスタンス側はほとんど武力がない。
こんな圧倒的な不利な状況ですが、最後には見事な逆転劇を見せてくれます。
様々な要因が重なりあって、この逆転劇がなされるのですが、なんといっても一番の要因は、、、船が脆すぎること。
ちょっと攻撃を受けただけで誘爆を起こし、バッタバッタと撃沈していく。なおかつ一つの艦がでかい&お互いが密集しすぎているので、攻撃も身動きもろくに取ることができないという不始末。
これまでのスターウォーズシリーズでもそうですが、デススターを始めなぜこの世界の戦争兵器はかくも脆いのでしょうか。攻撃に特化しすぎて、防御がおろそか。主要箇所に攻撃を受ければ即誘爆、撃沈。いくら映画とはいえあんまりだ!
他のSFとかでもこういうシーンを見るたびに、風の谷のナウシカのミトの名台詞「なんちゅう脆い船じゃ」を思い浮かべます。
『なんちゅう脆い船じゃ』
↑対義語↓
『戦艦が簡単に沈むか!』#金曜ロードSHOW#金曜ロードショー#風の谷のナウシカ #ナウシカ#NTV pic.twitter.com/jHBNATv7YW— 県警巡査長 (@SENIORPOLICEMAN) January 13, 2017
ep9のラストらへんは、絶望的に脆い帝国側の大艦隊をバッタバッタと沈めて行き大逆転は進みます。
【感想】ep9はハードルを上げずに観れば…
「で、結局スターウォーズep9の感想はどうなのよ?」と思われるかもしれませんが、結論としては「そこそこ面白い」です。ハードルを高めずに観れば十分に楽しめるという感想。
ep7、8では人物同士の心理的なやりとりや、過去との確執であったり修行であったりと、どうも胸が踊ろうようなシーンが少なめでした。
しかし、ep9では最初からミレニアム・ファルコン号の怒涛の飛行シーンからはじまり、ライトセーバーを使ったアクション、戦闘機などの空中戦など、アクション映画としての見所が大幅に増えています。
スターウォーズを観る人によって、ポイントは違うとしますが、私に関して言えば求めるのは冒険活劇。
ライトセーバーがぶつかり合う派手な殺陣、宇宙空間を飛び回る戦闘機同士の戦いなど、そういうスカッとしたものを求めているのです。
その点で言えばep9はそういうシーンが多めでしたし、最後の皇帝パルパティーンとの対決シーンも迫力があり(やっぱり皇帝は強い!)満足がいくものでした。
ただ「そこそこ面白い」というのは、普通にアクション映画としては面白いという意味。スターウォーズシリーズとしては、若干不満なところがなくもない。
スターウォーズという伝説的なシリーズに期待するもの。それは、今までに観たことのないような映画体験と感動。そういう打ち震えるような感動を得たかったという気持ちが強いです。
その点ep9では、そういう体験まではいかなかった。はじめから若干ハードルを高くしているということもありますが、それを差し引いても最近のSF作品を超えるものではありませんでした(これとは逆に、ハードルをまったく高めず、気楽な気持ちで観た「MIBインターナショナル」は普通に満足できましたし 参考:「MIB インターナショナル」感想!クリス・ヘムズワースを楽しむ)
ep7~9まで、過去のスターウォーズ作品の懐かしキャラに頼っている感が強く、何か新しい世界を届けたいという気迫も薄いように感じます。もちろん、世界的にファンがいる作品なので、あまり新しいことをやりづらいということもあるのでしょうが。
それとディズニー配給になって、人種に関することなど制約が増えたような気もしますね。配慮することが多すぎて、ちょっと自由度を失っている感もあります。
同じJJエイブラムスで言えばスタートレックの方が面白いと感じるし、現代の作品で言えば、まだアベンジャーズシリーズの方が映像での迫力は高い。
そういう、これまでにない感動をという点では、ep9は少し残念でした。
ただ、そういうハードルをとっぱらえば、アクションSFとしては面白いし、それなりにシリーズをうまくまとめた作品でもあります。むろん、スターウォーズという超大作ですから、おのずとハードルが上がるのも無理はありません。しかし、そこはぐっとこらえて。単純に「映画を楽しむぞ!」という気楽な気持ちでみれば、十分に楽しめる内容です。思い出しましょう、初めて映画を見た頃の、あの純粋な感動を!
50代以上の人はep4を映画館で観て、衝撃を受けたという人もいるでしょう。そういう人は、このスターウォーズep9を観て何を思うのでしょうか。若かりし頃見た作品が今、完結を迎える。
その感慨も聞いてみたい気もします。