アメリカの大手コミック会社といえば、マーベルとDCコミックス。
「アイアンマン」、「スパイダーマン」などのアベンジャーズ系や「Xメン」シリーズなどを要するマーベルは最近映画業界でも好調ですね。
その一方でいまいちパッとしなかったのがDCコミックス。過去には「スーパーマン」や「バットマン」などの実写化で、名作と言われるクオリティーの映画作品を排出していましたが、近年はいまいち。
個人的に「ジャスティスリーグ」系の作品はどこかハマらなかった。マーベル系と比べるといまいち面白みがないんです。
そんな中、久々のDCコミックス系でヒットだったのが「アクアマン」。これは、映像でいうならば近年見たアメコミ系で一番良かった!
その魅力や感想などを記していきたいと思います。
「アクアマン」未知の映像美と、モンスターのど迫力!
「アクアマン」の監督はホラー映画の巨匠ジェームズ・ワン
「アクアマン」は海底世界を舞台に繰り広げられる、ど迫力のアメコミ実写映画です。
監督はジェームズ・ワン氏。ジェームズ・ワンといえば「ソウ」や「死霊館」、「インシディアス」など数多くのホラー映画を作り上げてきた巨匠。
私もホラー好きなので、その多くの作品を観てきましたが、これまでにない恐怖の表現や人の心を揺さぶる映像などでハートをわしづかみにされました。
そんなホラーの巨匠、ジェームズ・ワン氏の描くアメコミヒーロー。同じくホラーの巨匠サム・ライミ監督が「スパイダーマン」シリーズで成功を収めた例もあるので「アクアマン」を観るのを楽しみにしていました。
「アクアマン」の映像美とど迫力!
私的に「アクアマン」の何がツボにはまったかというと、簡単にいえば映像美とど迫力です。
これまでにも海底や海中世界を舞台にした映画などは多々ありますが、ここまで美しい世界を描いた映画は観たことがありません。
「アクアマン」の世界観では、太古に海底に沈んだ種族が、海中生活に順応し、あるものは進化を、またあるものはモンスターのように退化していったという設定です。
その進化した種族たちの都市群。色彩や造形どれをとっても素晴らしい出来!
イラストなどでは、このような世界観を見たことはあったものの、映像でこれだけ緻密かつ美しい世界を描いたものは観たことがありません。ただたんに映像美というだけでは片付けられない、最先端のクリエイターの才能を叩きつけられたような感動を味わいました。
海中だけでなく、陸上での戦闘シーンもど迫力。シチリアでの戦闘シーンがあるのですが、家々の屋根から屋根へと飛び移るシーンなどは「いったいどうやって撮ってるんだ??」と思わせるような、ありそうでなかった映像。
CGとアクションと、爆発とカメラワークと、それらがめちゃくちゃ上手いこと重なり合ってできる、3次元的奥行きをめいいっぱい使ったど迫力映像!
めくるめくアクションに、あっと言わされっぱなしで、息つくまもない高揚感を楽しめました。どうしたらこんな映像がとれるんだろう・・・??
「アクアマン」に出てくるモンスターなどの造形センスがいい!
「アクアマン」に出てくる多種多様な海中種族やモンスターの造形センスもたまらない!
たとえば、アクアマンの弟が支配する国の一般兵士が身につけている防具。ストームトルーパー的な立ち位置の兵士たちですが、その防具がかっこいい。
海中生物をモチーフにしつつも、近未来的な要素が多分に感じられるセンスのある防具。海底人ということもあり、内部が水で満たされているという造形もうまいなと唸らされます。
「アクアマン」のアトランティス兵士と精鋭部隊のパワードスーツが好きすぎて、2回目観ます🐠推しはオーム王子です🦀 pic.twitter.com/Mveh7foKCU
— くろは (@6_lzs) February 18, 2019
また、先ほども述べたように、海底人は種族ごとに知能が高く進化したものやモンスターのように退化したものがいます。
その退化した海底人や、古くから海底に住むモンスターたちの造形もいい。気持ち悪いところはしっかりと気持ち悪く、どでかいモンスターは、その大きさに見合った迫力のある造形を。
ラストのうになると、それらモンスターの魅力がどばばばばぁっと堪能できます。これでもかっていうぐらい、迫力のあるシーンが続き、さらにそれを上回る迫力を後々にもってくる構成、たまらん!
個人的に甲殻類族の秘密兵器的な超弩級モンスターがヒットですね。劣勢に追い込まれた時に、タイミングよくでてくる巨大秘密兵器にはハートをわしづかみにされます。
「アクアマン」にでてくるモンスター、トレンチの迫力
「アクアマン」の監督ジェームズ・ワンは数々のホラーで名を馳せてきた人物。
その手腕をもっとも感じさせられたのが、海のモンスター「トレンチ」。
邪悪な半魚人といったような風貌で、鋭い歯やヒレが特長です。
「トレンチ」は本能に従い、アクアマンに襲いかかってくるような感じ。一匹一匹ではさほど強くはないのですが数が多いので、海中でイワシのように群れをなしながらアクアマンに襲いかかるシーンは怖気のたつ迫力があります。
「トレンチ」は海底生物なので、光に弱い。アクアマンたちはどうしても海底の深部に向かわねばならず、船に積み込まれていた非常灯(赤い火が吹き出るやつ)を持って海に飛び込みます。
光によって一定の距離を保ちつつも、まるでピラニアのようにアクアマンに襲いかかってくるトレンチたち。深部へ深部へと潜り続けていくシーンは非常灯の赤い光と、大量のトレンチたちのシルエットが美しくもおぞましく、ここだけは不気味な迫力のある上質のホラーのようなシーンとなっていました。
ちなみに、この「アクアマン」のスピンオフ作品として「トレンチ」を軸にもってきた映画が企画されているそうです。

できるだけ大きな画面で観て欲しい「アクアマン」
私はレンタルが始まってから、自宅のプロジェクターで観たのですが、それでも「映画館で観ておけばよかった」という後悔がありました。
「この迫力を映画館のスクリーンと色彩の美しさ、音響で観たらどれだけの感動を味わえたであろうか!」と。
個人的にアメコミ映画では「アベンジャーズ エンドゲーム」よりも迫力や映像体験では上だと思います。迫力がたかまると、若干ごちゃついた印象をうけるのですが、「アクアマン」は上手い具合にまとめられていた。
「アクアマン」の魅力を味わうには、できるだけ大きな画面で観ることをおすすめします。おそらくスマホで観ても、この面白さの百分の一も伝わらないでしょう。
主人公以外のことばかり述べてきましたが、メインキャラクターたちも魅力的。アクアマン自身もこれまでのアメコミヒーローではあまり見ない、髭面でタトゥーだらけの大男(ソーも髭面でかぶっていますが)。
また、ヒロイン役のメラ(アンバー・ハード)もとても美しく、目を楽しませてくれました(赤髪に青メタリックなスーツが多かったので、「バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲」でユマ・サーマンが演じたポインズンアイビーにも見えましたが)。
#アクアマン 今年の初めに大いに話題をさらった。シリーズの出来の悪さに戦々恐々としていたけど、本作は違った。マーベル作品にも勝るとも劣らない傑作に仕上がってた。DC作品の夜明けは目の前。ブログ準備中。#映画好き#映画好きと繋がりたい #映画好きな人と繋がりたいhttps://t.co/z3ucDLMNH3 pic.twitter.com/mPPZyf10Of
— スズキトモヤ (@tomosuzu09033) July 26, 2019
これまでのDCコミック系でいまいち満足できなかった方々にもお勧めしたい「アクアマン」でした。