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毎日が無礼講。細かい人情も含む四コマギャグ漫画「かりあげクン」

仕事上がりのサラリーマン飲みニケーション寝る前におすすめ本10選

植田まさし先生をご存じですか?

「えっ?誰?」って人も多いかもしれませんが作品ならどれかは知っているはず。

「コボちゃん」、「かりあげクン」などの代表作をはじめ「フリテンくん」、「すっから母さん」、「おとぼけ課長」など数多くの作品を手掛ける四コマ漫画界の巨匠です。

そんな植田まさし先生の代表作「かりあげクン」を紹介したいと思います。

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長年愛される四コマ漫画「かりあげクン」のおすすめポイント

長年愛されるギャグ四コマ漫画

「かりあげクン」の連載開始は1980年。
もうかれこれ40年近く、長年にわたりみんなを笑わせている四コマギャグ漫画です。

近年、「こち亀」や「浮浪雲」などご長寿連載漫画が終わりを迎える中で、いまだ現役で読者の心をつかんでいるのはすごいですね。

内容は基本的に、主人公のかりあげクンことかりあげ正太が務めるほんにゃら産業を舞台に繰り広げる、いたずら四コマギャグ漫画。

社長や課長、係長をいたずらにひっかけたりと人の裏をかいた茶目っ気たっぷりのギャグが多いです。

普通、絶対にありえない、二、三回やったら首になるだろうということをやってのけるのがギャグ漫画のよさ。
漫画全編通して無礼講ですが、そのへんをやってのける気持ちよさがたまりません。

時代は変われどかりあげは変わらず

原作の「サザエさん」と一緒で40年近く連載しているギャグ四コマ漫画「かりあげクン」の世界はつねに時代時代を反映しています。
携帯電話が登場したり、健康問題が取りざたされたり、パソコンに四苦八苦したり。

読む人ごとに「こんな時代もあったあった!」とあるある共感を湧き上がらせるのもよさの一つです。

そういえば私が子供の時に、たしか朝だったと思いますが、「かりあげクン」のアニメが放映されていました。

歌謡曲風のオープニングからはじまり、いったいなんなんだ!?といった気持ちになったのを覚えています。

子供のころは「コボちゃん」しか知らなかったので、かりあげクンに対して変なアニメという感想をもった記憶があります。

人情味ある人間関係。寝る前読書にかりあげクンをおすすめする理由

かりあげ正太と木村課長の人間関係

「かりあげクン」のいいところは現実世界にはなかなか見られない人情味、人間関係にあると思います。

たとえば木村課長との関係。

おそらくかりあげクンに一番いたずらをしかけられる被害者。
時にはいたずらを出し抜いたと思ってもやっぱりひっかけられるかわいそうな人。

しかし、上司ですので常日頃はかりあげクンにも強い駄目出しやカミナリを落としています。
かりあげクンが仕事でミスしたりすると、かなりボロクソな罵詈雑言を浴びせかけることも。

これだけいたずらを仕掛けられたり、パワハラ寸前の暴言をはかれたりとお互いの関係は悪いのかというとそうでもありません。

仕事終わりに一緒にお酒を飲みに行ったり、休日二人で釣りに行ったりする姿もよく見かけられいい人間関係を築けているよう。
課長の御宅へお歳暮を送ったり、お年始の挨拶にもきっちりでかけています。

仕事上がりのサラリーマン飲みニケーション

いたずらばかりで、お互いを馬鹿にしきった関係かといえばそうでもない、ちょうど良い塩梅の関係性が二人にはあるんでしょう。
これは社長や係長との関係もそうで、上司と部下だけじゃおさまらない人情味のようなものを感じます。

おそらく、現代の社会ではこれだけの人間関係を築けている上司と部下っていないんじゃないかっていう仲のよさではありませんか。

こういうかりあげクンと木村課長の人情味ある関係性が描かれているからこそ、いたずらやブラックユーモアのギャグもほっこりとした味に仕上がっているのだと感じます(【傑作】何気ない江戸の日常を描く短編漫画「風流江戸雀」)。

どんどん人間関係がドライになっていく世の中において、こういうちょっと憧れの人情味が展開されるのもかりあげクンのよさです。

植田まさし作品の中で「かりあげクン」をおすすめする理由

酔っ払いイメージ

植田まさし先生の作品は「コボちゃん」などたくさんあります。
そんな植田まさし先生の作品の中で寝る前の読書のおともに「かりあげクン」をおすすめする理由は、主人公が働く一般サラリーマンというところにあります。

多くの人が普段働いている空間において、かりあげクンが自由奔放にいたずらやギャグに興じている姿を見ると「馬鹿なことやってらぁ、いいなぁ。」っと肩の力が抜けるのです。

この「馬鹿やってらぁ」の感覚は「コボちゃん」や「すっから母さん」、「おとぼけ課長」とはちょっと違う感覚なのです(それらの作品ももちろん面白いのですが)。

長きにわたり多くの読者から支持を得ている理由は、「馬鹿やってらぁ」の感覚がわりと普遍的かつ人情味あふれる類の可笑しさなのだからなのではないでしょうか(【関連記事】:町内のクリスマス会に見る、普通の可笑し味「ちびまる子ちゃん」)。

私が寝る前に「かりあげクン」を読みたくなるのは、この絶妙な肩の力抜かせの人情味あるギャグがあるからなのです。

コンビニで手に入りやすい

コンビニイメージ。

もう一つかりあげクンを寝る前読書のおともにおすすめする理由はコンビニで手に入りやすいというのもあります。

年がら年中、どんな季節でも植田まさし先生の何かしらの作品がコンビニに並んでいますが、その中でも「かりあげクン」の頻度が多いように感じます。

夜中や旅行先で寝る前にちょっと読書したいなって時でも手に入りやすいのでとても重宝しています。
(ちなみに私がもっているのかりあげクンもコンビニ版。難点はセレクション形式なので時々内容がかぶることも。)

こんな人におすすめ

かりあげクンをおすすめしたいのはこんな人

こんな人にかりあげクンをおすすめします。

  • 四コマ漫画が好きな人
  • ギャグ漫画が好きな人
  • 笑いで肩の力を抜きたい人
  • 昭和の人情サラリーマン生活に興味がある人
  • のんびり読書を楽しみたい人

植田まさし先生の四コマ漫画のすごさ

植田まさし先生のすごさの一つに、オチやギャグがかぶらないというのもあります。
凄まじい数の四コマを描いているのに、どれも違う内容。一見あたりまえのようにみえて、なかなか超人的な作業だと思います。

展開は途中まで似通ったものがあってもオチの部分でさらりと新しいオチやギャグを持ってくる。これもギャグ四コマ漫画というシビアな業界で長期連載できた理由でしょう。

植田まさし先生の作品は「オヤジ漫画っぽい」と変なイメージを持たれ、若い人に敬遠されることもあるそうです。

確かに植田まさし先生の作品はちょっとおじさん向けの漫画雑誌での発表も多いですが、そのギャグの面白さ、可笑しさにはまるとたまらなくなります。

まずはコンビニで「かりあげクン」を見つけたら手に取ってみてください。

様々な時代を生き抜いてきた、普遍的ギャグ四コマの真髄をお楽しみいただきたいです。

【関連記事】:原作はちょっとブラック、でも人情に和まされる「サザエさん」