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ブラックな絵本「オイスター・ボーイの憂鬱な死」

ハロウィンにオススメの本よく寝る本

本日紹介するのはハロウィンにぴったりのブラックな絵本。

ハロウィンという行事はいつのまにやら日本に定着といった感じ。地方に住む私は、あまりハロウィン気分となったことはありませんが、それでも近所のスーパーなどに行くとレジのおばちゃんが悪魔のツノのカチューシャなどで無理やり演出しているのを見ると、なんだかなぁって気分になります。

子供達が仮装しているのはやはり可愛らしいですね。今後もう少しいい形で定着していけばと思っています。

さて、ハロウィンにあった本を考えた時、真っ先に思い浮かんだのが「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 」でした。

「チャーリーのチョコレート工場」や「アリス・イン・ワンダーランド」の監督でも有名なティム・バートンの作品(参考:【おすすめ】ティム・バートン監督らしさが光る映画作品ベスト5)。

ハロウィンタウンの住人がクリスマスを取り仕切ろうとするダークファンタジー。

映画が有名ですが、「ナイトメアー」は絵本にもなっています。

しかし、「ナイトメアー」はかなり有名なので、今回ハロウィンにおすすめの本として紹介したいのが、これまたティム・バートン監督の絵本「オイスター・ボーイの憂鬱な死」です。

ハロウィンの夜に是非読んでほしい、ブラックな雰囲気を持つ、ちょっと不気味な絵本です。

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ブラックな絵本「オイスター・ボーイの憂鬱な死」

世界観炸裂「オイスター・ボーイの憂鬱な死」

「オイスター・ボーイの憂鬱な死」は様々な、アウトサイダーが登場する短編が集められた絵本。

監督の作品に共通するものに、異形の者への愛があります。たとえばジョニーディップ主演の「シザー・ハンズ」などは手がハサミであるがゆえに愛する人に触れることもできない異形の人造人間が主人公。

バートンは一貫してそれらのアウトサイダーを描き続け映画の主人公クラスに持ってきます。決して一般的ではないけれど、強烈な魅力を放つキャラクターたち。

この「オイスター・ボーイの憂鬱な死」は絵本でありながら、特にその世界観が炸裂している作品といえます。

キャラクターもさることながら、ダークな絵柄と灰色のトーンはこういうゴスっぽさの好きな人にはたまらないでしょう。

オイスター・ボーイとは何か?

オイスター

タイトルにあるオイスター・ボーイとは本書に収録される短編の主人公の一人。

頭が牡蠣の形に生まれたがゆえに、両親に愛されず、ゆえに非業の死を遂げる運命に。なんとも気の毒な、憂鬱な死としか言えない結末。

そもそもなぜオイスター、牡蠣をキャラクターにしようと思ったのか。その辺のトリッキーさもたまりません。

あえて、オイスター・ボーイのストーリー内で、牡蠣である必然性といえば「牡蠣は精力がつく」という一点のみ。

その一点のみで、これだけの話を膨らませたりしたのかなと思ったり。もしくは牡蠣って外側がグロテスクなフォルムだから、アウトサイダーが集まるこの絵本のキャラクターに登場させたのか。興味は尽きません。

「オイスター・ボーイの憂鬱な死」でもっともブラックな話「ジェームズ」

「オイスター・ボーイの憂鬱な死」ではいくつもの傑作短編が詰まっていますが、私のもっとも惹きつけられたのは「ジェームズ」という話。

以前書いた記事、寝る前に数行の恐怖を。短編ホラー小説の決定版「一行怪談」でも書きましたが、私は短編が好き。

このジェームズという作品も文章はたった数行の作品(読むのに10秒もかからない)ですが、バートンらしいブラックな結末が込められています。

簡単なあらすじは、サンタさんがジェームズにテディベアをプレゼントするという話なのですが。。。これがあんな結末になろうとは。

正直後味のいい類のものではなく、ブラックユーモアここに極めりといった感じですが、バートン好きの人には是非読んでみてください。

絵本というメディアにあった話

本イメージ

「オイスター・ボーイの憂鬱な死」は絵本というメディアにぴったりあった内容だと思います。

これが小説であったり、映画であったり、漫画であったりしても何か変(以前アニメにはなっていましたが、絵本ほどの鋭さはありませんでした)。

絵本に広がるダークな水彩と、短い文章。短い文章だからこそ、表現が詩的であったり、読者の想像が広がります。

そして一話ごとに怪しくも悲しい、魅力的なキャラクターたちが現れては去っていく。悲しい結末、不条理でブラックな展開など様々ですがバートンの美意識を理解する上では避けて通れない絵本だと思います。

ハロウィンに読んでほしいブラックな絵本

ハロウィン

みなさん、ハロウィンにパーティーなどするのでしょうか。

「オイスター・ボーイの憂鬱な死」の持つ雰囲気はハロウィンの怪しい雰囲気にもピッタリ合うと思います。

このブラックな絵本をちょっと小物として会場に置いておいて、ぱらぱら読んでもらう。このダークな絵柄は、ハロウィンの空間作りに一役かうような怪しさを含んでいますよ。

もちろんパーティーなどしない人でも、ハロウィン独特の雰囲気を味わうためにもおすすめ。

これまでバートンの作品をいろいろ観て、その作風が好きな方には「オイスター・ボーイの憂鬱な死」は絶対おすすめの絵本!どうぞチェックよろしくお願いいたします。

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>>【仮装の心理】なぜハロウィンに渋谷で若者は騒ぐのかの考察