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NHKスペシャル「“樹木希林”を生きる」で感じた名女優の生き様

女優樹木希林 徒然思う

昨日、NHKスペシャルで「樹木希林を生きる」というドキュメンタリーが放映されました。

樹木希林さんといえば先日亡くなった、日本を代表する名女優。

最近ワイドショーやTV特番なども多くの特集が組まれ、本当に多くの人に愛されていたのだなということがわかります。

私も樹木希林さんの演技が好きで、特に数年前にお孫さんと共演された「あん」のおばあさん役は素晴らしかったです。

そういうこともあって昨日のNHKスペシャル「樹木希林を生きる」を観たのですが、最近よく放映されている樹木希林さん特集とは一線を画したドキュメンタリーだったので紹介させていただきます。

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「樹木希林を生きる」という名ドキュメンタリー(再放送の情報も)

最近の樹木希林さん特集といえば

希林さんが亡くなってから多くの特番が組まれています。その多くは今までの功績の紹介とともに家族についてのこと。

娘や娘婿の本木雅弘さんとともに、やはり一番特集されていたのが夫内田裕也さんとのことについて。

結婚するもすぐに別居状態。しかし数十年離婚することはなく不思議な夫婦生活を営まれてきました。

それらの特集を見るにつけて、一緒に住むだけが愛であるとか家族であるとかとはちょっと違うなと、感慨を受けたものです。

数年前のことですが、雑誌「SWITCH」で家族特集が組まれました。その時の表紙が内田裕也さん、樹木希林さん、本木雅弘さんのファミリー写真(まだ次男くんは生まれてない頃みたいです)。

これがものすごくかっこいい表紙。特に内田裕也さんがちょと離れた感じなのがたまりません。

欲しいなと思っていたのですが、これの存在を知った時にはすでにだいぶ経っており、すでにプレミアが付いていました(最近になってやはり欲しくなって調べましたが、売っているとこすらあまりありません。ヤフオクで見た時は17000円の値段が。早く手に入れておけばと後悔しております)。

ご夫妻で出演されていたゼクシィのCMも印象深く、やはりお二人の距離感が絶妙で大好きでした。

7種 リクルート ゼクシィ CM 樹木希林 内田裕也 「家族になろうよ」

ロッケンロールといえば内田裕也さんですが、これまでの生き方や佇まいを見ると樹木希林という女優こそロックなのではと思わざるをえません。

NHKスペシャルで描く「樹木希林を生きる」

最近放映されていた樹木希林さん特集やワイドショーなどいろいろ観ましたが、その多くは内田裕也さんとの生活を軸にしたものが多かったです。

しかし昨日見たNHKスペシャルの「樹木希林を生きる」ではドキュメンタリーであるので、普段の希林さんが記録されています。

軸も、女優としての日常を追った感じ。

“樹木希林”を生きる
NHKスペシャルの番組公式サイトです。

昨年の6月からの長期密着取材。信頼を勝ち取ったディレクターが単独で樹木希林さんを撮り続けたというもの。

この一年間、映画出演が多かったのでメイク中や出番待ち、移動中の樹木希林さんがみられます。

TBS「ぴったんこカン☆カン」にも多く出演されていまして、そこでもわりと素に近い希林さんを見られましたが、それよりももっとオフに近い姿。多くのスタッフや共演者に囲まれ番組として撮影されているのとあくまでドキュメンタリーとしての手法で意識されない撮影の仕方の違いからくるものといった感じ。

ご本人もいろいろな番組で言われていましたが、とっつきにくい感じの人のよう(孫も寄ってこないと言っていました)。ちょっと毒舌だし、ばしばし物事を言う感じですが、最後には笑顔でフォローも入れる優しさも描かれていました。

常に人、そして観客を意識した希林さん

観客席

ドキュメンタリーを観ていて思ったのは、一見自分勝手で傍若無人なようにも見えるけれど、なんと他人のことを考える人なのかということ。

密着撮影を続ける、ディレクターさんに対して苛立ちをみせるシーンもありましたが、それは自分のドキュメンタリーに何の面白さがあるのかという疑問からだったようです。

その言葉からは、ディレクターさんの作品への心配、ひいてはそれを観る視聴者、観客に満足してもらえるものになりうるのだろうかという心配が伝わってきました。

本来ならば、その作品が良いか悪いかなどはドキュメンタリーなので樹木希林さん自身のせいではないと思います。しかし、自身の女優としてこれまでお客様と繋がってきた視点から、そういう無責任なことはできないという矜持が感じられました。

それは自分が良く見られたいとかとは全く違う、本当に人のことを考えて行動する名女優の姿でもあります。

友人でもある浅田美代子さんとの映画撮影でも、浅田さんへの心配や思いやりなどが見え隠れし、人というものへの愛と興味がその眼差しから伝わってきました。

希林さんが浅田さんの演技を見守る場面があったのですが、その真剣な眼差しは一枚の絵のような格好よさがあります(樹木希林という女優は、どこを切り取っても格好よさが漂っています)。

ドキュメンタリーだからこそ、内田啓子としての顔も

樹木希林さんの本名は内田啓子さん。今回のNHKドキュメンタリーでは映画の舞台裏なども描かれますが、常に女優樹木希林がそこにありました。

ドキュメンタリーを通じて、希林さんという人は常に樹木希林であり、だからこそ「樹木希林を生きる」というタイトルがついたのだとしっくりきます。

ただ、ほんの一場面だけ、内田啓子さんを感じられた場面がありました。短い時間でしたが、一瞬樹木希林から離れた場面。

ガンが進行し、在宅医療を受けるために自宅でお医者さんとミーティングすることになりました。娘さんの内田也哉子さんも同席し、今後について話し合っていました。

その時の也哉子さんとのやりとりが、女優としてでなく、母と娘のやりとりであり、今まで決して見られなかった内田啓子さんとしての貴重な姿だったように感じます。これは今までのワイドショーの特集には無いものでした。

樹木希林さんという大女優の貴重な姿を観ることができたという意味でも、私にとってこのNHKスペシャルは大きな価値がありました。

名女優の去り際

舞台

途中で余命宣告も受け、死を覚悟しているシーンが続きます。

ディレクターはこれまで記録してきた希林さんの映像を本人に見せるシーンがあるのですが、大女優が映画などの作品ではなく、そのバックグラウンドにある自分を見返すシーンというものはなんとも胸にせまるものがありました。

ラストシーンは、とある映画に出演し、出番を終えて帰っていくところ。

薄暗い、映画の舞台である家の廊下をぽつぽつと歩きながら背中を見せて去っていくシーン。

その去り際が数十年にわたって女優であり続けた樹木希林の有終の美が感じられて、しんみりとしつつも素敵なエンディングだったと思います。

名女優「樹木希林」のこのような姿、生き様が見られて本当に良かったです。

NHKスペシャル「“樹木希林”を生きる」再放送決定

10月20日(土)午後4時00分〜 [総合]で再放送(予定)だそうです。

当初は2018年10月2日(火) に再放送の予定でしたが、新内閣の特別番組か何かで延期にとなっていました。無事再放送が決まって一安心。

樹木希林さんのファンのみでなく、生きるということを考えさせられる本当に素敵なドキュメンタリーだったので、見逃した方にはぜひ見ていただきたいです。

再放送の時間が平日の夕方なので、やや視聴が難しい時間帯ですがどうぞ録画をお忘れなく。

NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル「“樹木希林”を生きる」
“樹木希林”を生きる

追記:内田裕也さんの樹木希林さんへの愛

先日、樹木希林さんの葬儀が営まれました。

ワイドショーなどでも多く放映されていましたが、その中で内田裕也さんが納骨の時に、樹木希林さんのあごの骨をポケットにしまったと紹介されていました。

いままで、樹木希林さんから内田裕也さんへの愛情や思いは多く紹介されていましたが、このような行動から裕也さんの愛が伝わってきます。葬儀の際の姿なども、胸に迫るものがありました。

病室で毎晩、裕也さんに会いたいと言っていた話や、イギリスからエアメールで送られてきた裕也さんの手紙をずっと大切に持っていた話などまた新たな樹木希林さんの側面が。

その手紙の一文

俺の夢とギャンブルで高価な代償を払わせていることはよく自覚しています。
突き詰めて考えると、自分自身の矛盾に大きくぶつかるのです。
ロックをビジネスとして考えなければならないときが来たのでしょうか。
最近、ことわざが自分に当てはまるような気がしてならないのです。早くジレンマの回答が得られるように祈ってください。落ち着きと、ずるさの共存にならないようにも。
メシ、この野郎、てめぇ…でも、本当に心から愛しています。

ロックンローラーとしてアーティストとしての自分と、希林さんと結婚した夫としての自分。折り合いがつかないもどかしさや苦悩とともに、愛する人への思いやりも。

今まで樹木希林さんが内田裕也さんのことを純粋な人だと評していましたが、その理由がこの手紙からも伝わってきます。

本木雅弘さんのお話で、樹木希林さんの死の間際、内田裕也さんはスマートホン越しに「ありがとう」の言葉を何度も投げかけていたそうですし、内田裕也さんなりの愛があったのでしょう。

お二人の娘である也哉子さんのあいさつから内田家の、普通とは違うけれど確かな愛の軌跡が感じられます。

樹木希林さんの死は、生きるということ、表現するということ、愛ということ、家族ということなど様々なことがらについて深く考えさせられました。

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