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あえて寝る前に読みたい歴史小説「関ヶ原」

司馬遼太郎の関ヶ原よく寝る本

本日も快眠を目指すため、寝る前読書にぴったりな本をおすすめします。

以前から読みたいと思っていた歴史小説「関ヶ原」を読了したのでご紹介したいと思います。

「関ヶ原」といえばV6の岡田准一さんが石田三成役で映画化もされた名作。

作者は歴史小説の大御所司馬遼太郎先生です。

普段、寝る前読書にご紹介するのは割と短めの作品やエッセイ、漫画など軽めに手早く読める作品が主ですが今回の「関ヶ原」は重厚。

文庫本で上中下とあり1000ページを超える大作ですが、あえて寝る前のひと時に読んでもらいたい理由をご説明します。

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智謀渦巻く歴史小説「関ヶ原」

大戦といえども起こすのは人

関ヶ原の合戦といえば、言わずと知れた日本史を代表する天下分け目の合戦。

徳川家康率いる東軍と石田三成がまとめ役をした西軍との戦い。

小説「関ヶ原」ではこの合戦の部分を占める割合はあまりありません。

むしろ、様々な武将を自軍に引き入れれる為の智謀や計略の部分が大半。

いかに歴史的な豪傑、名将といえども人の子。自分の領地や今後の行く末などを天秤にかけ、いかに有利な方につくか、その人間的な脆さ、弱さもあらわになっています。

本来ならば、豊臣秀吉の遺訓に従い、豊臣家を盛り立てていくという誓いを各武将はしていますが、義理をとるか利をとるか。

「関ヶ原」の中では、武将の罪悪感を弱め、利や欲をうまく手玉にとる徳川家康の老獪な手腕が見所でもあります。

この徳川家康と石田三成を中心とした各人間の思惑によって、関ヶ原の合戦へと徐々に向かっていきます。

小説よりも先に映画の方を観ていたのですが、映画だと細かい部分がわからず流れについていけない部分も。小説の「関ヶ原」ではじっくり各武将の心理や合戦までの流れが丁寧に描かれているので、映画よりもまず小説の方をおすすめします。

石田三成になってはいまいか

大阪城

「関ヶ原」の明暗は徳川家康と石田三成の人ったらしの差が大きいでしょう。

人心掌握を心得、飴と鞭を巧みに使い、また根回しがうまい徳川家康。

才能はあれど、生真面目でへいくわいもの(横柄)な性格ゆえ、表向き仲間は集めても、その実敵ばかりつくっていた石田三成。

石田三成のいうことは正論であり、軍議や法にのっとったものが多いですが、その後の結末などを見ていると人間融通が大切だと痛感させられます。

「丸い卵も切りようで四角。ものも言いようで角が立つ」という都々逸(ことわざ?)がありますが、本当に言葉や態度一つで評価というものは大いにかわるもの。

実際の人物像はわかりませんが、少なくとも小説「関ヶ原」の石田三成が横柄さがなく、融通が利き愛想が良く、また人の裏表を読む目があれば関ヶ原の合戦は、日本の歴史はどうなっていたものかわかりません。

この「関ヶ原」はいうまでもなく歴史小説。小説である以上各武将の性格など史実通りではなく、創作の部分も多々あるかもしれませんが、それおぎなっても学ぶところは多いです。

ちなみにこの文を書いている2018年の9月19日は自民党総裁選の数日前。現党首阿部さんと石破さんの一騎打ちとなっています。

結果はどうなるかわかりませんが、テレビなど見ているとどうも石破さんが愛想の面で今ひとつ。いろいろと正論は言っているのですが、そこに堅さを感じてしまいます。

「関ヶ原」を読んだ直後だけに、石破さんが石田三成気味になっていないかといらぬ心配をしてしまうわけで。。。

寝る前に歴史小説をおすすめする理由

ビジネス戦略

この「関ヶ原」という歴史小説。長い小説ですし、登場人物も多く難しいところも多いですが魅力にとんだ名作です。

ゆえに、一気に読みきってしまうこともできるでしょうが、私はあえて寝る前の読書時間に少しづつ少しづつ味わうことをおすすめします。

先ほども書いた通り、本書の見所は智謀計略、各武将の心の揺れ動き、それを獲得しようとする徳川家康、石田三成双方の策略など人の心理にあります。

一気に読むのも良いでしょう。その壮大な世界観と関ヶ原の合戦という歴史的大事を成しえた人間ドラマに感動できます。

しかし、私としては、1日に1、2章づつじっくりとこの歴史小説を読むことをおすすめします。各武将ごとの心の揺れ動きや、いかにしてその武将たちを味方に引き入れていったかなどの細かい策略や人心掌握の流れが楽しめるからです。

この武将はどこをどう刺激され、ゆえに東軍(西軍)についたのか。この武将はどうして利を提示されようとも義を重んじ裏切りをしなかったのか。

各人物の個性、身分、生い立ち、領地の大小いかんによってその処世術や心理の変化が詳細に描かれています。

寝る前読書の時間に「関ヶ原」という歴史小説で描かれているそれらを少しづつ読むことで、それら武将の心の動き、または徳川家康などの策略をじっくり味わうことができます。

「これは人生において学ぶべきことであるのか、反省すべきことなのか」など自分の人生や生活に照らし合わせるとまた面白い見方ができます。

こういう歴史小説は寝る前の静かな時間にじっくりと読むことで、過去の人物たちの振る舞いから様々に学ぶべきことを見つけ、自分のものにできるのではないでしょうか。

「関ヶ原」に描かれ、壮大な歴史上の人間劇の味わいは一気に読んでしまったのではもったいないと思うので、あえて私は寝る前の読書時間に少しづつ読むことをおすすめします。

坂の上の雲」を読んだ時にも感じましたが、司馬遼太郎先生の歴史小説はただストーリーを描くだけでなく、各登場人物のバックグラウンドの紹介の仕方が卓越。たとえあまり活躍しない人物でも、ただのキャラクターを超えて血の通った人物がこの物語を紡いでいるのだなと感じられます。

よく司馬遼太郎先生の本は大会社の代表などに好まれるということを聞いたことがありますが、様々な戦略や人との付き合いを大事にする社長さんたちに人気なのもうなずけます。

大きなことを成しえた人々の物語

合戦

決して戦争を賛美するわけではありませんが、少人数の人々のビジョンから発展して関ヶ原の合戦という歴史的大事業が成しえました。

そしてその後は徳川政権300年の時代へと移行していきます。

日本という国の流れを大きく動かした関ヶ原。自然現象などではなく、人が起こしたもの。

簡単に言えばものすごくスケールの大きな話。しかしそれは実際にこの国で行われた事実を元に描かれた歴史小説なので、おおまかな流れはフィクションではないのです。

我々、普段生活をしているときまりきった流れに陥りがち。大きな変化なども起こらず、それを起こそうという気もおこらず停滞、もしくは萎縮の道へ踏み込む場合も。

そんな時「関ヶ原」の歴史を変えた大きなスケールのものに触れることで、寝る前のわずかな時間、少しでも自分を鼓舞し、翌日への活力につながるきっかけになるやもしれません。